2026年2月28日土曜日

ツーリング今昔

  オートバイのガソリンタンクの上にタンクバッグを取り付ける。レインウエアや簡単な整備工具を入れる。その日に走るコースの地図をバッグの上に挟み込む。携帯電話はまだ世の中に存在していない。

 ナビゲーションやインターコムのない時代、ツーリングに出かけるにはそれなりの準備が必要だった。仲間とオートバイでツーリングに出かける。走り始めたら、一緒に走っていても孤絶した世界だ。仲間とはぐれたら連絡の取りようがない。

 走行中は仲間がいても話せない。信号待ちで止まったわずかな隙にヘルメットのシールドを上げて、大声で喋る。「そろそろ休憩にするか?」、「もう30分ほど走ったら昼飯にするわ!」。

 前のライダーがハンドルから手を離して振っていたり、後ろのライダーがステップから足を離して膝を伸ばしたりし始めたら、そろそろ休憩が必要かな、と察知する。

 自転車に乗るようになって、オートバイを手放した。今はツーリングといえば専ら自転車。今なら自転車のツーリングにもナビは使える。ヘルメットにマイクを仕込んで、仲間と話すこともできるらしい、が、使う気は毛頭ない。

道に迷ってもたかが自転車で走る距離。行き止まりになれば、自転車を担いで歩くこともできる。走りながら少し大声を出せば会話もできる。

 走り方の様子でお互いのコンディションを知る。前を行くライダーの頭が揺れ出したらちょっと休憩か。後のライダーがコーナの立ち上がりで遅れるようなら食料の補給タイムか。今様の便利な機器はなくても、仲間うちの気遣いがあれば何とかなる。

昔むかし、友だちと二人でオートバイで出かけた極寒の冬の1日を思い出す。寒さに耐えられなくて飛び込んだ喫茶店で古新聞をもらった。腹や膝に新聞紙を巻き付けて冷えを凌いだ。これが意外に暖かい。有り合わせのものと工夫でその場を凌ぐ。今も昔もツーリングの面白さはそんなところにある。

タンクバッグの上に
その日のコースを
拡げて出かける

タンクバッグの中に
その日のコースを
詰め込んで帰る

よくぞ、まあ
こんなに遠くの街まで
走って来られたものだ

果敢さや無謀が走る車線と
心細さや後悔が走る車線を
何度も乗り換えながら走る



2 件のコメント:

  1. べーえんべー2026年3月4日 17:47

     若かりし日のMARIOさん、実にかっこいいですね。
    250カタナにマグナ750というチョイスに、当時から変わらぬこだわりを感じます。

     自転車のラレーや自動車のロードスターもそうですが、MARIOさんの歩みには常に一本の軸があり、生き方そのものが反映されているようです。それに比べて私の方は、つい流行を追いかけてしまう傾向があり、MARIOさんのような一貫性に強く惹かれます。

     最近のAIにこれらのラインナップを読み込ませて、オーナーの性格や存在感を分析させたら……きっと興味深い「鑑定」になりそうですね(笑)。

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  2.  若いころの自分がかっこいいと褒めていただけるのはありがたいですが、かっこよかったかどうかはともかくとして、若い頃から何でも楽しめていたようには思います。

     教員時代は部活の顧問などもしていて、休日はほとんどありませんでした。ほんのわずかの時間を見つけてオートバイのツーリングにも出かけていたようです。

     金銭的な余裕もそれほどなかったので、いかに安いものを買うか、それがオートバイや車選びの第一条件でした。一本軸が通っているというよりは、安く楽しめることを優先した結果ではないでしょうか。

     今の自転車選びにもそんなところがあります。無理なく安価に手に入るかどうか。それが最優先事項です。AIにオートバイや車、自転車の遍歴を示して分析してもらうと、安上がりなことを優先していたことを見抜かれるでしょうか。

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