秋が深まっても温かい日がつづいた。さすがに師走の声を聞くと寒くなった。鈴鹿の山がうすく雪をかぶった。手が冷たくなる。首すじが寒い。ヘルメットの通気孔を抜ける風が頭に冷たい。自転車の冬を感じる三つの変わり目だ。
ダウンジャケットや防寒手袋、ヘルメットの下にかぶる帽子など、去年使っていたものを準備する。どれをどう組み合わせて着用していたものか。記憶は曖昧で、季節が一巡するころには去年の寒さを忘れてしまっている。
自転車メーカーのカタログを見ると、夏用、春秋用から冬用まで、自転車用のウエアが取り揃えられている。デザインや色使いに魅かれる。夏は吸汗・通風の良さを、冬は保温の性能を誇示している。自転車用ということもあって、空気抵抗を減らし、身体の動きを妨げないような工夫もされている。
これはいい、と思うような製品は驚くほど高価でもある。レースに参加したり、本格的に長距離に挑んだりするというのなら兎も角、入門の域を出ない自転車乗りには過剰品質、無用の長物という気もする。ブランドにこだわらなければ、安価な優れ物も見つかる。
中学や高校へ自転車で通う頃には、今のように手ごろな防寒着や厚手の手袋など思いもよらなかった。制服の上にマフラー、手には軍手くらいが辛うじてできる防寒対策だった。 オートバイに乗るようになってからは、膝や腹のあたりに新聞紙や週刊誌をあてて走った。
ありあわせのもので寒さを凌いだ。家に帰っても、暖房の効いた温かい部屋が待っているわけではない。火鉢を抱えるようにして冷えきった身体を温めたものだ。
当時と比べれば、防寒グッズは格段に良くなった。熱線を入れて発熱する手袋や上着さえ売られている。走っているうちに身体が温まって、暑く感じるようでも困る。本格的な冬を迎えるこの時期、今日は何を着ようかと迷うことが多い。自転車を漕ぎだす前にちょっと思案の手間がいる季節である。
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晩秋の空を映していた池が 今日は冬の色にかわっている |
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山の端を 冬がなぞっていく |
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この道をまっすぐ行けば 真冬も近いだろう |
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砂の粒が小さな意志を固め 大きな気迫になって冬に漕ぎ出す |
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ところで今日は何を着ていこうか 小さな砂の迷いが固まって思案する |
私が友達の紹介でスポーツバイクを買ったとき、自転車に関する知識は全くありませんでした。当然服装なども考えたこともなく、とりあえず日よけに帽子を購入。野球帽みたいな襟つきキャップ。ズボンの裾がチェーンに触れて汚れたり巻き付く心配があるので、縛るベルト。そんな程度。
返信削除服装は別に普段のままでいいだろうと、特別に用意はしない。
ところがいざ走ってみると、本格的にキメているライダーが多く、スポーツバイクに乗るには格好も大事なのかと考え、ヘルメットやスーツも買う。
でもよくよく考えてみれば、スピードや距離を競うわけでもなく、のんびり友人たちと走りながら四季折々の変化を楽しむのが目的。
最低限、事故に備えて頭を守るヘルメット、肌を痛めないために手袋、長袖長ズボンを準備しておけばよいという結論に達した次第です。
現在は他人の目はさほど気にせずに、気楽に走ることを心がけています。
転倒などの事故が怖いので、夏でも長袖中心、冬はヘルメット内に防寒キャップ、首にはネックウオーマー、インナーはヒートテックの上下など分厚くならず、動きやすい外装を心がけています。
今回の写真は、砂の造形と自転車が絡みあって傑作となっていますね。
そして、添えられた2行の詞がまたまたお上手。
絵と詞が絶妙のバランス、詩人の面目躍如といったところですね。
さすが詩人です。
自転車が趣味といってもいろいろあるようで、高性能の自転車へグレードアップする人もあれば、自転車に取り付ける部品やグッズにはまる人、自転車を自分の好みに合うように作り変える人、はたまた、自転車に乗るときのファッションにこだわる人もあるようです。
返信削除もちろん、走ることが最大の目的で、ぶらりと近場を走る、遠出をする、レースに出る、他にも山の中の不整地を走破するなど、人によっていろいろな楽しみ方がありますね。
自転車関係の雑誌も読者層に合わせていろいろなものが発刊されていて、時々本屋さんで雑誌をのぞいてみると面白い特集が組まれていたりしています。
私もべーえんべーさんと同じようなことを考えていて、自分流に無理のない程度に自転車を楽しめたらいいので、あまり服装などにこだわりはありません。とはいえ、冬の寒さに負けて自転車に乗らなくなるようではいけないので、防寒対策のアイディアなど、お教えいただけることがあれば幸いです。