なぜことさらにマウンテンバイク(MTB)のパンクなのかというと、これが大きなトラブルだからである。
MTBのタイヤは太い。山の中や不整地を走るためにできているので、太くて頑丈で重い。実用車の約2倍、ロードバイクの3倍くらいの重さがある。タイヤは太いが他の自転車と同じくらいの幅のリムにはめるので、脱着に苦労をする。
先日、そのMTBの後輪が初めてパンクした。家から4㎞くらいのところだった。自転車のタイヤがパンクした経験のある人なら、誰しも3つの選択肢を思い浮かべるだろう。
選択肢の1つ目は、その場でパンクの修理をする。2つ目は、空気の減り具合にもよるが、空気を入れながら騙しだまし走り、大急ぎで家に帰る。3つ目は、修理を諦め家まで自転車を押して帰るか、車での救援を家人に頼む。最後の選択肢は、格好がよろしくないので、できれば避けたい。
家まで4㎞しかないが、4㎞もある。微妙な距離だ。家からもう少し遠ければ、その場で修理する気になるだろう。ロードバイクのようにタイヤの脱着が簡単なら、家の近くでもその場で修理すれば済む。
このときは、MTBだったので思案した。予備のチューブは携行していても、タイヤを外すのが面倒だ。急には空気が抜けそうにもないので、選択肢の2つ目を採り、その場で空気を入れ直して、パンクをしていない前輪に体重をかけるようにして、出来るだけ走る。
家から2㎞ほどのところまでは走った。タイヤが走行に耐えられなくなった。後は、3つ目の選択で、自転車を押して帰った。
家に帰ってからも、パンク修理にかなり手こずって、考えた。タイヤの脱着が簡単にできる工具を買い求め、多少嵩張っても今後はそれを携行することにした。頑丈なタイヤがパンクすることなどめったにないとはいえ、MTBのパンクは事程左様に難儀なのである。
ペダルを踏んで 新しい景色の中へ 入って行くのか |
ペダルを踏み続けていれば 新しい景色が 向こうからやって来るのか |
とにかく 自転車の上で ペダルを踏む |
ペダルから車輪へと 意志がつたわる |
この道の先へ進んでいくのか 向こうからやって来る道を ここにいてやり過ごすのか 車輪はまわりつづける |