一緒に自転車で走る仲間が何人かいる。近所に住む人たち4人のグループで、月に一度は遠出をする。最初のころは、30㎞ほどの距離を走っていたが、最近は60㎞~70㎞走るようになった。少しずつ走行距離を伸ばしている。
元同業者や古くからの知人の4人グループもある。こちらは、天気の許すかぎり、週に一度は近場を走る。年に何度かは遠出もする。これも走行距離は70~80㎞といったところだ。
どちらのグループも、気のおけない仲間で、休憩の時間ともなれば自転車のこと以外にも話題には事欠かない。つい休憩時間が長くなる。
話題は豊富にあるが、乗っている自転車を較べて性能をひけらかし、体力や脚力を競うようなことはしない。思い思いの自転車を持ち寄って、無理のない距離を無理のないペースで走る。これは両方のグループに共通している。乗り手の体力にも自転車の性能にも差はあるが、一緒に走っている間はそれを感じない。較べたり競ったりしないところに秘訣があるのだろう。
自転車仲間とは較べず競わず和気藹々とした気分で走るが、自分を自分と較べ、自分が自分と競うことが往々にしてある。自転車に乗り始めたころの自分に較べて、今は脚力がついているか。去年の自分より速く遠くへ走れているか。加齢とともに運動能力も反射も衰える。過去の自分と競っても、勝負にならないことは目に見えている。自転車の性能は最新型のものと較べれば、新しいものの方が優れているに決まっている。
振り返りをしたりこれからのことを考えたりするには、目安や基準がいるし、目標がある方がいいこともある。とはいえ、無用に較べたり競ったりはしないで、とりあえず風に乗って走る流儀でいきたい。
ときが思い思いに集まってきて それぞれのときを語らっている |
ときの速さも ときの行方も 移ろっていく |
遠くにいたり 近くにいたり 日向にいたり 日陰にいたり |
ときの流れに乗って ときの行方に従って |
くらべずにいく きそわずにいく |