連日の猛暑。早起きは苦手なので、朝初めて外の空気にふれるのは7時過ぎになる。そのころには、気温は既に途方もなく上昇していて、配達された新聞を取りに行くだけで背中が焼ける。早い時間に起きていて、気温が上がるにつれて身体を慣らしておけばいいが、すでに熱くなった空気の中へ出ていくのは厳しい。
それでも、天気がよければ自転車には乗りたい。さて、今日はどちらへ。その発想は、暑くても変わらない。熱中症対策さえすれば、出かけても大丈夫だろうと判断するのは、身体のコンディションをそれなりに保てているということだ。
木陰ばかりで暑さをあまり感じない夏向きのコースがあればいいのだが、おあつらえ向きのコースはなかなか見つからない。山の中を走れば樹々の間の陰の多い場所を走ることはできるが、アップダウンは避けられない。この暑さの中、坂を登るのは難行苦行である。平坦なコースを選べば、陽ざしを遮るものがない。太陽と焼けた路面からの熱とに挟み撃ちで炙られる。ときおり熱風が吹く。事程左様にコースを選ぶのは難しい。
走行会仲間と走るときには、いつものメンバーが揃ってから、各自の体調やその日の風向き、時によっては雨雲の動きなども考えて、その日に走るコースを考える。近場の状況に比較的詳しい自分が、メンバーの意見や希望を入れて、行き当たりばったりにコースを考えながら走ることが多い。
先日の不定期走行会では、多度神社に午後2時に集合、休憩時間もゆったりとって3時間ほど走るということになった。仲間がそれぞれに言うには、何度も走った場所ではあるが、できればこれまで走ったことのない道を探したい。南東の風がきついので、風の影響を受けないコースがいい。走行距離を40㎞以上は確保したい。さらに、夕方から観たいテレビ番組や畑仕事があるので、5時半には集合場所にもどりたい。さて、これらをすべて満たして走ることができるのか。コース設定係の力量が問われる。
多度神社を出発して、普段は通らない小さな集落の間の細い道を抜ける。往路は向かい風になるが、集落の間をぬって走れば風の影響は少ないし、知らない道を通り抜けることになる。その後、桑名の市街を抜け、城南干拓地の開けた場所に出る。海の匂いを感じながら初めて行く干拓地を巡ると走行距離は20㎞を超えた。帰路は揖斐川の堤防を追い風に乗って快走。風は味方になって背中を押してくれるので、気分よく帰ることができた。
初めての道を通り抜け、風の影響は最小限。この日の走行距離は46㎞。集合場所へ帰り着いたのは5時15分。ほぼ、すべての条件を満たしたことになる。いつもこんなにうまくいくとはかぎらないが、このときは当意即妙。みなさんのご希望成就。
暑さにうだるこの時期、どうやって走るかよりも、どこを走るかが肝心要。朝夕の涼しい時間に走るということも考えられるが、朝に弱い私はどの方面に出かけるかに勝負をかける。さて、今日はどちらへ。
梅雨明け宣言の翌日 今日からは暑い |
陽がすこし傾きかけて それでも暑い |
向こうも暑い こちらも暑い 暑さを突き抜けても暑い |
涼やかな水の音を聞ききながら 木陰を走る こんなコースはうれしい |
馬を水辺に連れていけても 馬に水を飲ませるのは難しい 自転車は水辺に連れていっても 水を飲まないが乗り手は涼しい |
番外: コースを選ばず 近場で遊ぶ |