ツアー・オブ・ジャパンは、1982年から1995年まで14回に渡り開催されていた『国際サイクルロードレース』を継承する国内最大規模の自転車ロードレースである。1996年に名称を『ツアー・オブ・ジャパン』に変更し、第1回が開催された。世界トップレベルの強豪チームが参戦する、アジア最高クラスのハイレベルな国際レースである。
堺、京都ステージから始まり東京まで8つの場所を転戦する。このレースの第3戦がごく身近な場所で毎年開催されていることを知らない人も多い。コロナ禍の影響で3年間中止になっていたレースが今年はいなべの地に戻って来た。
というわけで、ご近所の自転車愛好家と連れ立って4人で観戦に出かけた。雨が降るようなら観戦を見合わせようという程度の、地元のにわかレースファンの軽い乗りである。
阿下喜駅から始まるレース前のパレードに間に合うように自転車で自宅を出発。パレードでは、集合した国際クラスの選手たちの巨大な体躯と華やかさ、ロードバイクの機能美に驚かされる。選手と見まがうようなウエアに身を包み、高価なロードバイクで観戦に訪れる人も多い。珍しいロードバイクが見られるのも興味深い。
本番のレースは、海外、国内の16チーム96人が覇を競う。レースの細かいルールも判らないままに、自転車の速さに驚き、選手たちのタフさに感動する。1周14㎞の急坂を含むコースを8周+α、127㎞を3時間ほどで走り切るのである。
地元の利を活かして、会場周辺の交通規制をかいくぐり、観客の少ないコース脇でレースを観た。どこで観戦しても入場料は無料というのがまたいい。すぐそばを走り抜ける選手たちの爆走、激闘をよそに、のんびりとレースの成り行きを見守る。転戦するレースを追いかけ、県外から押し寄せるレースファンとはちょっと調子の外れた、ピクニック気分のレース観戦も楽しい。
当日は、周辺の食べ物屋さんなども遠来のレースファンたちで混み合うだろうと思い、いなべ市役所の職員食堂で遅めの昼食を食べて、レース観戦のしめくくりにした。地元で気軽に国際的な自転車レースが堪能できるとは、何とも恵まれた環境である。
ツアー・オブ・ジャパン公式サイトより これが世界のロードレース |
国際的なレースを 自己流に楽しむ 地元のおっさんの ピクニック的観戦の図 |