冬をむかえる

冬をむかえる
'20.12.22 愛知県海部郡飛島村梅之郷 日光川排水機場付近にて撮影

2022年8月27日土曜日

早朝ライド

 日の出とともに走り始める。早朝の涼しい時間なら、酷暑の時期でも熱中症の心配はない。去年の夏も確か同じようなことを考えていた。考えているだけで夏が過ぎた。早起きができないのである。

 今年は早朝ライドを敢行する。815日、そう思って朝4時に起きた。空はまだ暗い。日の出の時刻は513分。もう少しだけ寝ておこうと思って横になった。目が覚めたら730分だった。早朝ライドはやはり無理か。

 翌朝、再び4時に起きる。眠ってしまわないように、自転車を外に出してタイヤに空気を入れた。日の出の時刻は1分遅くなっている。生憎の曇り空。なかなか明るくならない。視界が開けるのを待って、5時半に家を出る。行く先は走り始めて決める。椿神社までくらいは行けるか。片道25㎞。休憩をしながら走っても7時には着けるだろう。

 Tシャツ一枚では寒い。真夏でも、朝早くに走るというのはこういうことか。山の稜線が朝日に輝くのを期待して走るが、朝(もや)がかかっていて山見えない。走り始めて半時間、菰野町の街中を抜けるって辺りは薄暗い。同じ薄明かりでも、夕方とは空気感が違う。人影がない。車が少ない。広告灯の明かりが消えている。曇り空ではあるが今日のはじまりのすがすがしさだ。

 椿神社まではどの道を辿っても大きな坂を登ることになる。清んだ空気の中の登り坂はいつもより勾配が緩い。坂を登り終えて水沢の茶畑が広がる場所に出ると、靄が晴れて青空がのぞく。予定通り7時ちょうどに椿神社の鳥居の前に到着。後ろの山がはっきり姿を現している。

 自転車に乗り始めてほぼ10年。早朝に走るのは元旦の初日の出を見に行くとき以外にはなかった。この夏、この歳になって、初めてのことができてよかった。早朝ライドが病みつきになるかもしれない。


いつもなら家に出る時刻に
目的地にいる

天気によって表情は違うのだろう
明けきらない空気の中にいる

ようやく山の稜線が見えてくる

真夏とは思えない
涼しい空気の中にいる

朝を先導して走る

ようやく朝が追い付いてきた

 

2022年8月20日土曜日

続 BBを交換する

  BB(ボトムブラケット)本体と、それを交換するために使う工具をネット通販で買うことにした。

 4万㎞走ったクロスバイクと妻が乗っている2万㎞走った折り畳み自転車、2台の自転車のBBを交換したい。BBの規格が千差万別で、さて、今使われているものと同等の部品を選ぶにはどうすればいいか。部品を調達する前から難題にぶつかる。「これって、どうすればいいの?」と気軽に尋ねられる、自転車博士や整備経験者が身近にいないのはつらい。

 YouTubeの動画に参考になるものがないか検索をしてみる。BBの交換のし方を解説した動画が何本も見つかる。部品の調達から、BBの取り外し、組付け方まで詳しく解説してくれている動画もある。YouTuber様様。ありがたい時代になったものだ。

 多分これで間違いないだろうと、見切り発車で注文した部品と工具が手元に届いたので、やおら交換作業に取り掛かる。初めての作業はわくわくして嬉しい。新品の専用工具が使えるのも楽しみだ。

 ところが、部品と工具を手にすれば、作業は簡単にできると思ってしまうのが素人の浅知恵。長い間手入れをしていない部品は、油や汚れが固まって、そう簡単に取り外せるものではない。固まってしまったネジ1本緩めるにも至難の業なのだ。

またしても、YouTubeの出番。緩まないネジを回す裏ワザを動画で探して試してみる。方法は判っても、生の人間がそばにいて教えてくれるわけではないので、手加減までは判らない。あとは、部品も工具も買ってしまったので、やらないわけにはいかないという気合が頼りだ。

何とか取り外した部品を新しいものと交換して組み付けるのは案外簡単である。元の通りに戻せばいい。安全祈願をしながら、丁寧に組付けの作業をすすめる。

 構造が特殊な折り畳み自転車の方は、交換に苦労した。新しい部品を組み付けていると、近所に住む自転車に乗る知人が通りかかった。機械いじりが大好きな人なので、ヒントをもらいながらBBを取り付けた。彼は、組み上がったクランクを回して、「すごく軽くなった、良く回る」と自分の自転車のように喜んでくれた。

 クランクが軽快に回るようになったのは、私の技でも手柄でもない。旧型よりも性能の良い新品のBBがいい仕事をしてくれているだけのことだ。とはいえ、知人に出来具合を実証してもらい褒めてもらえて悪い気はしない。内心「やったぁ」と有頂天なのである。


道具は手の延長
新しい工具は手の拡張

古い部品を取り去る
見通しがよくなる

面倒な作業ではあるが
やることはたったの二つ
古い部品をはずす
新しい部品をつける

気になるところを修復する
自転車全部が新しくなる
見通しがよくなる

今日の気分がかわって
季節もかわりはじめる




2022年8月13日土曜日

BBを交換する

 BBといえばブリジッド・バルドー。では、CCはというとクラウディア・カルディナーレ。若い人には何のことかわからないかもしれない。往年の銀幕を飾った女優たちである。これは、走行会仲間の話題。かなり古めかしい。

 自転車愛好家なら、BBといえばボトムブラケットのこととピンとくるだろう。脚の力を受ける左右のクランクをつなぐ軸を支える部品である。バルドーではなく、ブラケットに思いを致してほしい。

 クランクの軸は自転車が走っている限りは回転し続けているので、軸と軸受けは摩擦によって擦り減る。クランク軸にしても、車輪の軸にしても、さらにはハンドルの機構であっても、自転車はほとんど回り回されるという動きで成り立っている。

 回転するものと、その回転を支えるもの。それが滑らかに組み合わされていなければ、動きが重くなり、余分な力が要ることになる。どこか人と人の関係に似ている。滑らかさに欠けると、ぎくしゃくして諍いの元だ。余計なエネルギーを費やすことになる。

 BBにもどる。こんなわけで、長く使っていれば、擦り減って回転に支障が出る。水やほこりの侵入は、部品の磨滅を早める。BBは消耗部品で1万~2万㎞くらいで交換するのがいいといわれている。初めて買ったクロスバイクは走行距離が4万km近くになった。今までクランクの回転に不具合を感じないので、BBは交換もせずに乗りつづけていた。

YouTubeの動画やシマノのマニュアルで確認すると、自分でもBBの交換作業ができそうだ。クランクを外し、ブラケットを新しいものと付け換える。自転車の整備には専用の工具が必要はことが多い。それも新品のBBと一緒にネット通販で購入すればいい。

 さて、その素人作業がうまくいくかどうか。続編を書かないと完結しそうにない。


猛暑 坂を登る
自転車の部品が擦り減る

猛暑 峠を越える
心が擦り減る

擦り減れば修復して憩う

修復して使いつづける

修復して残していく

2022年8月6日土曜日

アウトドアライフについて

   ウトドアライフとは文字通り野外生活のことであり、自然を楽しむ生活のことでもある。夏休みともなればキャンプは本番。山に登り、魚を釣り、自転車に乗るのもアウトドアライフである。

 コロナウィルスの影響で、野外の活動が注目され、ブームにもなっているようだ。スポーツ自転車もその一つだという。密になることを避けると、個人的な趣味の密度は高くなる。趣味にのめり込む機会と時間が多くなる。

 野外での活動には、二つの楽しみ方があるようだ。一つは屋外での活動をできるだけ快適にしようとするやり方、もう一つはせっかく自然の中にいるのだから、不便さも謳歌するというやり方である。

 私は「自然のまま派」に属していると思っている。乱暴な言い方だけれど、日焼けや虫刺されが嫌なら、屋外に出なければいい。皮膚の弱い人や、虫刺されにアレルギーのある人もいるので、全く気にしないではいられない場合ももちろんある。熱中症アラートも無視するわけにいかない。

 けれども、アウトドアライフに暑い寒いはつきもので、喉も乾けば日焼けもする。蜂や蛇に出会ったりもする。自転車に乗っていても、過酷な状況におかれることは承知しておくべきだろう。

 私の知人に玄人はだしの釣り人がいる。彼の釣行の様子を聞くと、まさに、「自然のまま派」である。いかに釣りを楽しむ時間と場所を確保し魚と対峙するか、それしか頭にない。釣りの後でおいしくお酒を呑むことはちょっとだけ考えているらしい。

 暑いの寒いのとつべこべ言わずに、自分の身体を自然の環境になじませて、ひたすら釣りと向き合う。アウトドアライフを楽しむ人の鑑だ。自転車に乗るときの心意気もそうでありたい。


いつになく朝早く出かけてみた

花に出会う
名を尋ねる
ヤブミョウガ

友だちと出かけた場所から
夏を見下ろしている
  
道が乾いている
喉が渇いている
走りつづけている

この先は、もっと夏