『2001年宇宙の旅』はこれまでに何度も観た映画で、先日、また観なおした。この作品は1968年に初公開されている。映画に登場するコンピュータHAL9000は1992年にイリノイ州で作られたという設定だ。
時制を整理すると、今から34年前に製造された人工知能HALを積んだ宇宙船内で、25年前に起きた出来事を空想して、58年前に映画が作られた。映画作製時から33年先の未来の出来事を描いているが、今では25年も前の物語ということになる。
この映画を初めて観たのは高校生のときで、何のことだかよく判らなかった。オープニングの楽曲『ツゥアラツストラはかく語りき』だけは印象に残った。ストーリーは今観ても難解。舞台になる宇宙船にはタッチパネルではなく物理スイッチが使われ、ディスプレイのパネルも古臭い。そこは予想が外れていてご愛敬だ。
宇宙船に搭載された人工知能HALは、密かに与えられたミッションを遂行するために、反逆を企てる。生命維持装置の電源を切って乗組員を殺害し、船長の命も狙う。HALの能力は現在のAIを超えている。
最近は新聞でもAI関連の記事を目にしない日はない。善意に使われるAIは大歓迎だが、悪用される恐れもある。AIの反逆も怖い。映画は58年も前にそれを描いている。
今や宇宙船はおろか自動車にも安全運転支援や燃費向上のためのAIが搭載される。いずれは自転車にも利用可能なAIが作られるだろう。
倒れない、危険を察知して止まる、疲れを感知し休憩を促す。変速ギアの切り替えなど当たり前。目的地まで誘導してくれる自転車。ありえないと思うことが現実になる世の中だ。恐ろしいのは、自転車に装備されたAIが勝手な判断をし始めることだ。映画の中のHALと同じようなセリフを口にするかもしれない。
走るコースを変えようとすると「申し訳ありません。それはできません」。AIが勝手に振舞うのでスイッチを切ろうとすると、「回路を切断するつもりでしょ。それは許しません」。そんなことにならないように。自転車には自分の思い通りに乗りたい。
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過去には未来だったはずの場所を 今日は通り過ぎてしまった |
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未来という時空が 過去に場所を移す |
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時制を無視した 時間たちが集まって 幾重にも折り重なる |
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今日は今年になって いちばん遠出をした 日曜日だ |



























