マツダ・ロードスターという車を所有している。二人乗りの小さな車で実用には向かない。面白半分で5年乗ってある中古車を手に入れ10年乗った。初代のNAという型である。今は、第二世代のNB型で2002年式、これも5年落ちの車を買って15年乗っている。都合25年間も乗っていていることになる。
初めてこの車に興味をもったときには、車名をroadstarだと思っていた。まさか、道路を走るスターというわけでもなかろうと思って、車の後ろに貼られたエンブレムを確かめるとroadsterと綴られている。これは、「道を行く者」という意味らしい。
そもそも、roadsterは馬車の種類のひとつで、座席は1列で二人乗り、幌なしが原型。自動車の分類にも馬車の類型が使われているようで、同じオープンカーでも、カブリオレとかコンバーチブルというのは、有蓋(屋根付き)が基本。ロードスターは屋根がないのが本来の姿というわけだ。
オープンカーの爽快感は格別で、乗ってみないと判らない。風をきって走るのはオートバイの感覚に近い。二人乗りで軽量なので、カーブを曲がる軽快さもオートバイに似ている。オートバイのようにヘルメットをかぶる必要はないので、風を近く感じる。そんなわけで、ロードスターを手に入れてからオートバイに乗らなくなった。自転車に乗り始めたということも、オートバイに乗らなくなった理由の一つである。
自転車について書かれた、小池一介著『華麗なる双輪主義(スタイルのある自転車生活)』(東京書籍,2002)という本の中に、「Roadster Bicycle」が紹介されている。自転車にもロードスターと呼ばれるものがあるのだ。
早速、ロードスター型の自転車について調べてみる。「ロードスター(Roadster)とはかつてイギリスにおいてよく見られた自転車の形式で、現在では全世界にまで普及しており日本でも実用車、軽快車といった一般用自転車の原形となった」「現代的な量産体制で作られた初めての自転車といわれ、イギリスはもとよりアメリカにも輸出された。ラレー(Raleigh Bicycle Company)やバーミンガム・スモール・アームズ(BSA)が大量生産し」「現在のヨーロッパで自転車の利用の多いオランダ、ドイツの都市部などで見られる程度」(以上Wikipediaより引用)
二人乗りの無蓋馬車roadsterは現代の自動車に形を変え、我が家にはマツダ・ロードスタ―として収まっている。自転車に姿を変えたroadsterは英国のラレー社で生産された。ライセンス生産で日本の新家産業が製造した、「ラレー・カールトン・ビンテージ」というモデルは、私が愛用しているロードバイクだ。
1980年代、ロンドンの日本人学校に勤務していたころ、街角にはroadster型の自転車が無造作に立てかけられていたかもしれない。Roadsterとの縁は、その頃から今に続いている。
実用には向かないが 走りが面白そうなので 安い中古車を手に入れた (ユーノス・ロードスター NA6 1992年式) |
走りが面白いので 同じ車の新しい型を 中古で手に入れた (マツダ・ロードスター NB6 2002年式) |
幌が劣化して破れたので 今年になって幌を取り換えた 赤い幌のおかげで 新車にもどったようだ |
自転車にもロードスターがあった (『華麗なる双輪主義』の挿絵より) |
そういえば、同じような自転車を ロンドンの街中で見かけたことがある (1988年当時住んでいた家の近くで撮影) |
愛用している自転車 ラレー・カールトン・ビンテージ Roadster BicycleのDNAを受け継いでいるか ラレー社はロードスター・バイクの老舗 |