冬をむかえる

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'25.1.22 山を見て走る

2023年5月6日土曜日

マゴチャリ(孫の自転車)を作る

 我が家の一番小さい孫と公園へ自転車に乗りに行った。彼の自転車は、3歳のころから愛用しているものなので、サイズがかなり小さい。本人は、初めて乗れるようになった自転車なのでいたく気に入っているらしい。この4月に小学校へ入学したが、小さな自転車で満足しているようだ。

 本人が欲しいと言わないのに、新しいものを買うことはない。身体が大きくなるのに合わせて、次々と自転車を買い替えるのは無駄なことでもある。

 どこかに使われていない子ども用の自転車がないかと探してみた。家の近くに廃品などを集めている店があって、古い自転車が山積みになっている。そこでちょうど手ごろなサイズの子ども用自転車を見つけた。

 中国の人らしい店の主人に尋ねると、どの自転車でも1台千円で譲ってくれるという。長い間雨ざらしになっていたようで、チェーンやギヤ、メッキの部分もかなり錆ついている。それでも、フレームはきれいで色もわるくない。

 破れたサドルは、山積みの自転車の中で一番いいものと換えていけばいいと言ってくれた。良さそうなのを選んで取り換えた。サドルだけでも千円はしそうだ。この自転車を買って本当に大丈夫かと、店主の方が心配してくれた。

 早速、翌日から解体作業に取り掛かる。自転車を完全にフレームだけにして、組立てる作業をしてみたかったので、ちょうど良い教材である。千円なら安いものだ。子ども用の自転車も構造は同じだ。6段の変速装置もついている。

 錆で固着した部分の分解にはかなり苦労した。解体後はフレームやハンドルの錆を落として磨く。車軸やクランク軸など回転する部分や変速機はすべて分解、グリスアップして組み直す。ブレーキや変速機のワイヤー、タイヤなどは安全にかかわるので新しい部品に交換した。出来上がりは新品と較べても遜色ない。

 孫のために手間暇かけて自転車を組み上げるというと聞こえはいいが、自分の楽しみ以外の何ものでもない。マゴチャリの完成を喜んでいるのは孫ならぬ自分自身なのである。

ちっちゃい自転車だけれど
これに乗れば
おとなたちを置き去りにして
魔法の国へぼうけんに行ける

何だかよく知らない
自転車がやって来た

このおんぼろ自転車も
だれかのお話の中で
走っていたのだろう

正体をひとつずつ
たしかめてみよう

だれかの昔々の
お話の中から

新しいお話が
生まれてきて

また魔法の国の
冒険がはじまる


3 件のコメント:

  1.  こんにちは。今回もチャットGPTでお話が始まるのかとドキドキしていましたが、ご本人のストーリーでほっとしました。
    いかに優れたAIがキーワードをもとに文章をつくるとしても、作者個々の心の機微みたいなものを抽出するのは無理なのではと思えるのですが。

     さて今回のママチャリならぬマゴチャリのお話。
    これは、びっくりというかすごすぎますね。半ばガラクタ同然だったもの(失礼)を、ほぼ新品に近い状態に仕上げるのだから、驚くしかありません。すべてのパーツを分解してきれいに磨いてもう一度組み立てる。これは、並の人間では無理です。というか、私ではとうていできません。
    おそらくMARIOさんは、子どもの頃からおもちゃをばらして組み立てたりすることがお好きだったのでしょうね。そんな遊びのなかで、部品の仕組みやなぜそれが使われているのかなどを自然と学習していかれたのでしょうね。

     今回のマゴチャリ、自分の楽しみでつくったとありますが、孫さんへの愛情があってこそ完成したものだと思います。
     最後につまらない質問で恐縮ですが、1000円で買ったものをほぼ新車仕様に仕上げるのに、おいくらかかったでしょう。工賃ゼロとして(笑)。

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  2. このコメントは投稿者によって削除されました。

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  3.  いつものことではありますが、毎回コメントをつけていただくことをありがたく思っています。このブログの定型は、べーえんべーさんのコメントも含めて成り立っている気がします。

     さて、マゴチャリですが、素人作業なので完璧とまではいきませんし、もっとうまく自転車の再生をしておられる方がいっぱいあると思います。ただ、何でも、根元のところまで掘り下げてみると、自転車の場合ならすべての部品を取り外してみると、仕組みが良く判って面白いです。シンプルに見える機械でも、随所に工夫がされていることが判り、なるほどこうなっているのかと改めて発見することも多いです。

     孫が喜ぶだろうという期待もありますが、やはり、自分の楽しみを最優先していることにまちがいありません。

     1000円で手に入れた自転車ですが、タイヤやホイール、チェーンなどは見栄えと安全性を考えて新品をと交換しました。子どもの喜びそうなベルや泥よけなども購入したので、1万5千円くらい部品代がいりました。1000円の自転車をあと5台ほど買って、使えそうな部品を流用すれば安く上がるでしょうが、手間も増えると思います。新品の部品を多用して、少し手抜きの再生作業になってしまいました。

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