冬をむかえる

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'25.1.22 山を見て走る

2023年4月8日土曜日

古いものを使う

 自転車の部品はすべて消耗品である。タイヤもチェーンも、チェーンを回すギアも走れば擦り減る。放っておけば錆びつく。

 実用自転車のように、あまり距離を走らないのであれば、新しく購入してから、ついに使わなくなるまで、部品を全く交換しないということもある。子どもたちが通学用に使っていた自転車の部品を交換したという記憶はない。いつの間にか廃車した。

 今乗っている自転車は、年間に3,000kmから5,000kmも走る。部品の消耗は無視できない。使う部品にもよるが、タイヤチェーンの交換時期の目安は5,000㎞、後ろのギア(スプロケット)は1万㎞くらいとされている。フレームそのものも、5万㎞も走れば金属の経年疲労があって危険だという記事をネットで見た。

 もちろん、乗り方にもよるだろう。私のように脚力のない者が、のんびり走っている分には部品の擦り減り方は少ないはずだ。チェーンにはこまめに注油をし、フレームなどもときどきはワックスをかけて磨く。雨の日には乗らないようにしている。消耗部品はそれなりに交換もしているので、自分の自転車は新品同様だと自分では思っている。

 それでも、何かの拍子にチェーンが切れたり、フレームが折れたりしたら大ごとである。命にかかわる。新品同様と思っている自転車でも、10年も経つと部品が手に入らないこともある。自転車屋で相談すれば、新しい自転車を買うように勧められるかもしれない。

 新しいときと同じコンディションを保ちたいと思っても、これが案外難しい。古いといってもせいぜい10年で、新車のときに使われていた部品が手に入らなくなってしまうのは困りものだ。

 古いものを使いつづけるのは難しい。自分の身体も同じである。経年劣化する。身体は老化というべきか。新しい部品を手に入れて交換というわけにはいかない。買替えは尚更できない。身体も自転車も手入れを怠らず、うまく使いつづけるしかない。


早いもので
もうこの橋まで来た

早いもので
もう一年がすぎ

早いもので
もう桜が咲く

早いもので
もう花の季節が
すぎてしまった

早いものでもう一年がすぎたと
毎年繰り返しているうちに
早いものでもう三百年にもなる

古くなったものを
古いままに残して
古いまま使うのは
面白いけど難しい
難しいけど面白い





 







2 件のコメント:

  1.  私は身の回りのものを、すぐに捨てる癖があります。少し不具合が生じると、原因を追及したり直そうともせずに処分。せめて使えそうな部品だけでも残しておけばよいのに、一瞬の判断で捨ててしまう。
     これは、現役時代に大事に扱っていた書類やファイル、ビデオやカセットテープ、CD、書簡、年賀状なども然り。あとになってから、しまったと思うこと数知れず。
     やはり、何事も慎重に行動することが大切ですね。断捨離などというと今風に聞こえ私の場合私の場合は単なる面倒くさがり屋なだけのこと。いつ自分が死んでも、残された家族が後片付けに時間を割かなくてもよいようにしているのかもしれません(笑)。
     ブログを拝見する限り、MARIOさんはいろいろなものを無駄にするということができない性格だと思いますが、いかがでしょう。
     それにしても10年以上、あれだけの距離を走っても外観は新品に近いというのは、すごすぎますね。

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  2.  今週はコメントをいただけないかなと思っていても、いつの間にかコメントが書いていただいてあり、ありがたいかぎりです。いつもありがとうございます。

     私は、物を捨てられなくて困ります。しかも、大事にしていればいいのですが、持っているはずのものがどこにあるのか判らなかったり、必要がなくなってから出てきたりして、どうもよろしくないです。

     ちょっと前になりますが、僧侶をしている友人が立ち寄ってくれました。「断捨離といって何でも捨ててしまうと、自分の存在の意味まで捨ててしまうようで張り合いがない。かといって、何でもため込んでいると、あとに残る者に迷惑がかかる。さて、どちらがよろしいのやら」と言いおいて帰りました。

     古いものをきちんと保存できればいいのでしょうが、私のように中途半端も困りものです。自転車も自分では手入れをしているつもりで、新品同様と悦に入っていますが、見る人が見れば、手入れが悪いと思われるかもしれません。

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