’26.5.8 一期は夢よ

2026年6月20日土曜日

若者の夢

  高校3年生になる元同僚のご子息がロードバイクを買った。今から5年前のことだ。大学受験の準備で急に部活を止めると身体がなまるといってロードバイクを手に入れた。走り方がよく判らないので、一緒に走って欲しいと頼まれた。

 爺さんの自転車乗りではあまりお手本にはならない。走り方指南はできないが、お互いに安否の確認くらいはし合える。平坦路やアップダウンのあるコースを何度か二人で走った。ずっと野球を続けていた18歳の運動能力は老人の比ではない。すぐに巧くて速くなった。

 受験準備が忙しくなって、一緒に走ることはなくなった。大学に入学してからも自転車をつづけていることは伝え聞いていた。

 先日、元同僚と会ったときにご子息の話になった。当時の高校生が、この春小学校の教員になった。大学時代には近くの学童保育所を手伝っていたとも聞いた。驚いたことに、手伝っていたのは我が家の孫がお世話になっている保育所ではないか。

 学童保育所に大学生の先生が来てくれていたかと孫に訊いてみた。孫は、どうして爺ちゃんがその人を知っているのかと怪訝そうな顔をした。自分の良からぬ話でも聞いたのではないかと、少し身構えた。何分、小学4年生のやんちゃ盛り。ヤバい話もあるだろう。

 その人は、ずっと前に爺ちゃんと一緒に自転車で走ったことがあるというと、安心したらしい。あの先生は、めちゃ優しくて面白いで。走るとめちゃ速いし、オートバイを乗りこなしとるで、と話しはじめた。

 夢が叶って小学校の先生になったので、もう学童保育所には来られない、と孫は残念がっていた。学童保育所を手伝う若者が子どもたちに夢を語る。若者の夢が叶ったことを子どもたちが喜んでいる。そこには素晴らしい出会いがあったようだ。

 わずかな時間だったが自転車で一緒に走った若者の後日譚を、自分の孫から聞けたのは思いがけない喜びだった。


ここに立ちつくしている出会い

追いかけ追いつき
追い抜いて行く出会い

時の流れに架けた橋を渡り
時が渡っていく橋をくぐる

ここでは新しい出会いが
また夢の種を播いている


 

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