高校3年生になる元同僚のご子息がロードバイクを買った。今から5年前のことだ。大学受験の準備で急に部活を止めると身体がなまるといってロードバイクを手に入れた。走り方がよく判らないので、一緒に走って欲しいと頼まれた。
爺さんの自転車乗りではあまりお手本にはならない。走り方指南はできないが、お互いに安否の確認くらいはし合える。平坦路やアップダウンのあるコースを何度か二人で走った。ずっと野球を続けていた18歳の運動能力は老人の比ではない。すぐに巧くて速くなった。
受験準備が忙しくなって、一緒に走ることはなくなった。大学に入学してからも自転車をつづけていることは伝え聞いていた。
先日、元同僚と会ったときにご子息の話になった。当時の高校生が、この春小学校の教員になった。大学時代には近くの学童保育所を手伝っていたとも聞いた。驚いたことに、手伝っていたのは我が家の孫がお世話になっている保育所ではないか。
学童保育所に大学生の先生が来てくれていたかと孫に訊いてみた。孫は、どうして爺ちゃんがその人を知っているのかと怪訝そうな顔をした。自分の良からぬ話でも聞いたのではないかと、少し身構えた。何分、小学4年生のやんちゃ盛り。ヤバい話もあるだろう。
その人は、ずっと前に爺ちゃんと一緒に自転車で走ったことがあるというと、安心したらしい。あの先生は、めちゃ優しくて面白いで。走るとめちゃ速いし、オートバイを乗りこなしとるで、と話しはじめた。
夢が叶って小学校の先生になったので、もう学童保育所には来られない、と孫は残念がっていた。学童保育所を手伝う若者が子どもたちに夢を語る。若者の夢が叶ったことを子どもたちが喜んでいる。そこには素晴らしい出会いがあったようだ。
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| ここに立ちつくしている出会い |
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| 追いかけ追いつき 追い抜いて行く出会い |
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時の流れに架けた橋を渡り 時が渡っていく橋をくぐる |
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ここでは新しい出会いが また夢の種を播いている |




今回も、胸の奥が温かくなるお話でした。ノンフィクションだというのが、MARIOさんの生き様を物語っていますね。
返信削除5年前、部活を辞めて身体がなまるとロードバイクを手に入れた高校生が、大学生活、そして学童保育での活動を経て、この春に小学校の先生という夢を叶えられたのですね。5年の歳月のなかで若者がどれほど優しく、たくましく成長したかが、お孫さんの「めちゃ優しくて面白いで」という言葉から真っ直ぐに伝わってきます。
以前、MARIOさんの15年の歩みを「人生の財産」とお書きした記憶ですが、その道中で蒔かれた『自転車の縁』という種が、お孫さんの通う保育所で見事に花開いていたのですね。偶然のようでいて、これはMARIOさんが常に前向きに、若い世代とも真摯に向き合ってこられたからこその、必然の引き合わせなのだと思います。
夢を語る若者と、それを喜ぶ子どもたち。そんな素晴らしい循環のそばに、いつも自転車があったことが素敵です。
現在、私は自転車をお休みしていますが、このお話を伺って、また一つ、自転車という乗り物がもつ「人と人を繋ぐ力」の素晴らしさを教えていただきました。ありがとうございました。
ブログの記事も毎週となると、ネタに困ります。今回は、偶然の出会いに自転車がちょっと絡んでいたというだけの話なのに、べーえんべーさんには感動物語として読んでいただけてありがたいです。
返信削除自転車に乗る日常は、狭い範囲のありふれた出来事が多いですが、ちょっとしたことでも書き留めておけば、自分と自転車の物語の一部にはなりそうです。
べーえんべーさんは自転車を休止しておられるようですが、いずれ再開されるときには、新しい物語が始まると思います。
そのときに備えて、お身体を労わり、自転車の整備だけは欠かさずにおつづけいただけるとよろしいかと存じます。