冬をむかえる

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'25.1.22 山を見て走る

2025年6月28日土曜日

自己流のリスク

 愛用しているスポーツ自転車の整備や修理の記録を見なおした。部品代や修理に必要な専用工具の購入代金が自転車本体の値段を大幅に超えている。

 工賃まで加えれば、更に倍以上の費用がかかったはずだ。自転車量販店の整備料金一覧表を見ると、部品の交換工賃が部品代とほぼ同じくらいに設定されている。

 例えば、3000円くらいのチェーンを交換してもらうと工賃も3000円前後、1000円のチューブ交換なら工賃1000円。中には、スポーク交換のように部品代は100円程度でも手間がかかるので工賃2000円というのもある。専用工具を揃え、技術料も支払うと考えれば適正価格だろう。

 自己流で自分で部品の交換や修理を済ませれば大いに安上がり。工賃無料で半額セールのようなものだ。しかも、暇つぶしや腕試しができる。ではあるが、リスクも大きい。腕試しどころか肝試しになりかねない。部品の交換は古い部品を外す、新しい部品を手に入れる、それを取り付ける。この3つのステップだけ。簡単そうでこれがなかなかリスク満載。

 「古い部品を外す」というが、古い部品のどこが不具合なのか、何を交換すればいいのか、見極めるのが難しい。見当違いで使える部品までダメにするリスク。

 「新しい部品を手に入れる」というが、年式や形式、品番が一致する部品を手に入れる難しさ。間違って買えば、返品したり使い物にならずにお蔵入りになったりというリスク。これだと部品代2倍増し。

 後は「新しい部品取り付ける」だけだが、元通りに取り付けて、前と同じかそれ以上の性能を引き出せるかどうか。互換性があると思って買った部品が機能せず買い直しということもある。腕試しというより運試し。無駄骨の上またもや部品代2倍増し、になりかねない。

 自己流でやってしまえば安上がりと思っているが、失敗料は記録に書きこんでない。自己流の腕試しをして、胆試しや運試しまで楽しんだのだから帳消しか。失敗料を計上すれば経費はもっと嵩んでいるはずだ。


自己流でやろうとするのは肝試し


自己流が通用するかは運試し

自己流でやりつづけるのが腕試し


不安と欲望が
リスクを載せて来る

確信と継続が
リスクを運び去る

2 件のコメント:

  1. べーえんべー2025年7月3日 8:25

     私とMARIOさんの決定的なちがい、それは他のものに頼るのか、まずは自力でやってみるかです。

     今回のお話は面白いというと失礼ですが、なるほどと思うことばかりで、あっという間に読み終えてしまいました。腕試し~肝試し~運試しなど語呂合わせのような表現で読み手を和ませてくれます。何より肩が凝らないのが、高齢者にはありがたいところです(笑)。

     MARIOさんがこれまで自分の手で修理したりオリジナルのものを作り出したりしたものは、ブログでもいくつか紹介されています。
     しかし今回でわかったことは、自己流はリスクもつきまとうことや専用工具代、余分な部品代、工賃、調べて修理するための時間など、修理記録に表れない金額がずいぶんあるということです。

     でもMARIOさんは、そんなリスク以上に自分の手で仕上げたものへの愛着や喜びが得られていると思います。
     職人気質の一面は、少年時代からずっと変わらないところではないでしょうか。というより現職引退後は自由な時間が増えて、よりいっそう趣味を生かせる日々を過ごされているのでしょうね。無理はなさらないように。

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  2.  宮大工、庭造り、他にも和紙漉や染め物など、職人さんには憧れますが、自分のような飽き性の者には到底無理ですね。

     自転車いじりも中途半端の生噛り、職人気質なんてとてもとても、といったところです。

     長年教員をさせてもらっていたので、教職については、ほんの少し職人らしいところもあったのではないかと思っています。

     学校を離れて久しいのでよく判りませんが、近ごろは教職に職人らしさは求めれていないようで、さみしい気がします。
     

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