珍しく長い時間本屋で立ち読みをした。「立ち読み」といっても通じるかどうか。今や死語と化しているかもしれない。目星をつけてネットで本を注文することが多い。立ち読みはほとんどしなくなった。
本屋に足しげく通ったころは、面白そうな本を見つけると、今は読まないかもしれないが、いずれ読むだろうと思って何冊もまとめて買った。
先日、立ち読みしたときも、面白そうな本を数冊見つけた。倹約のために1冊だけに絞って買おうと思った。どの1冊にしたものかと迷った。挙句の果てに、1冊も買わずに帰った。迷ったら全部買っていたときもあったのに、迷ったので1冊も買わずに帰って来た。
倹約を理由に、いつか読もうという前向きの発想が、読まないかもしれないという後ろ向きな発想に変わっている。大げさにいえば、広がりかけていた新しい世界の扉を閉じてしまった。
自転車の部品選びをしていても、同じようなことがある。消耗部品のタイヤやチェーンは定期的に交換する。ちょっとグレードの高いものを使ってみようかと迷う。迷った末に、今までと同じもので我慢する。倹約のために、むしろグレードの低いものを選んだり、交換を先延ばしにしたりということさえある。
古いクロスバイクのハンドルを交換するときにも迷った。今のままで充分。走りに支障があるわけでもない。ハンドルを換えれば、他にも部品が必要になる。限られた年金での生活に浪費は禁物。ともすると、諦めが先に立ち、気持ちは後向きになる。
ハンドル1本で古いバイクが蘇えった。また遠くまで走ってみようという気にもなる。倹約にこだわり過ぎて、読みたい本を読まなかったり、試したい自転車の部品を諦めたりすることが、世界を閉ざし使える物を閉じ込め、見えない浪費になっている。
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| これは倹約のために |
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| これは浪費をしないために |
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理由をみつけて 見ようとしない |
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言い訳を探して 行こうとしない |
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倹約や浪費はちょっと忘れて 今のその先へ踏み出してみる |
年齢を重ねるにつれて、やらない理由を考えることが多くなった気がします。
返信削除若い頃は「やっちゃえ！」と後先のことをあまり考えずやっていた記憶があります。
勿論やったらダメなことはしてはいけませんが、そうでなかったらやった方がスッキリします。
MARIOさんが考えた末に換えたハンドル。交換しなければいつまでも換えたらどうだろうと迷い続けたでしょう。思い切って交換されたから、良かった良くなかったと日々楽しめているのではと思います。
浪費癖のある釣り師の持論ですが、倹約も大切、しかし浪費も甲斐性の範囲内で大いに良しとしたいと思います。
「やっちゃえ、日産」というテレビのコマーシャルを見ると、「やっちゃえ、オレ」と自分にも声をかけたくなりますが、踏ん切りのつかないことが多いです。
返信削除Minoさんのいわれるように、年々、やらない理由や言い訳を考えて、やろうとしないことが増えます。経済的な理由があれば兎も角、気持ちがやろうとしなくなるのはよろしくないですね。
先日、高価そうな自転車に颯爽と乗っている人にコンビニで出会いました。「高性能の自転車は、私のような脚力のない者では乗りこなせないですね」と話しかけました。「自転車に乗れる人なら、誰でも乗れますって。しかも、楽になりますよ。運転免許取り立てでも、ポルシェに乗れるじゃないですか。乗ってくださいよ」と勧められました。
なるほど、初めからやらないと決めていては、自分の力を無駄にして、浪費していることになるかもしれません。とはいえ、100万円もするような自転車に「乗れますって」と勧められても、やはり二の足を踏んでしまいますって。
学生時代は人並み程度に本を読んでいましたが、歳をとるにつれてめっきり減りました。本屋で立ち読みをして気に入ったら買うのは、野菜に関する季刊紙ぐらい。しいていえば、最近買ったのは谷川俊太郎詩集数冊と俵万智に関する歌集数冊ぐらい。恥ずかしい限りです。
返信削除今回のテーマ『倹約か浪費か』ですが、そもそもＭＡＲＩＯさんは何をするにも深く考えて決断されているのが、ブログから窺えます。これはおそらく若い頃も現在の生活でも変わらないことだと察します。私の場合は、深く熟考せずに思いつきで買ってしまうことが多く、あとから反省
することばかり。浪費をしているつもりはないですが、倹約もしていない。無駄なお金を使っていないつもりでも計画性がないので、結果的に浪費をしているのですね。
ＭＡＲＩＯさんのように、一つひとつのことをじっくり考える性格ではないので、意識をすることによって改善できたらと思います。
日々是反省のときを過ごしています。
今回も匿名さんでコメントをいただいていますが、べーえんべーさんからいただいたコメントですよね。いつもありがとうございます。
返信削除谷川俊太郎さん、俵万智さんの詩や短歌を読まれるとは素敵です。私は、詩や短歌を読むことからしばらく離れています。本棚にあるものからでも、また、詩集や歌集を開いてみます。
歳とともに、やろうとしないことややれないことが増えますが、読書の傾向もいつの間にか変化しています。べーえんべーさんのコメントをいただいて、忘れ物に気づかされたようです。
私も熟考せずやり始めて、あとで後悔するタイプです。何でもよく考えていれば、倹約だの浪費などと取りたててブログに書くこともないのかもしれません。あまり分別くさくなるよりは、衝動的に行動する自分も大事にしたい気がします。