'25.10.3 一本の柿の木

2025年4月12日土曜日

自転車の図鑑

 図書館の児童書コーナーで、孫に『学研のまんがひみつ文庫』を教えてもらったことは前回書いた。文庫シリーズの中に『自転車のひみつ』はなかったが、同じ書架で森下昌市郎著、自転車文化センター監修の『ずかん自転車』(2023)を見つけた。

 面白そうなので借りて帰った。児童書を自分のために借りたのは初めてである。新しい図鑑なので内容が斬新、大人の自転車乗りでも読みごたえ十分だ。自転車の歴史、自転車のしくみ、現代の自転車、自転車競技の世界、自転車をもっと楽しむという5つの章に分けて写真や図をふんだんに使って解説されている。

 使われている自転車の資料が、トレック、コルナゴ、それにジャイアントなどの最新モデルだ。ブリヂストンの電動自転車あり、シマノの変速機あり、更には、パナレーサーのグラベルキングといった新しいタイヤまで紹介されている。

 トマス・スティーブンスが1884年に出発した自転車世界一周旅行の興味深いコラムがある。世界一周の途中、1886年には日本国内を長崎から横浜まで走ったとある。その影響を受けてか、中村春吉が1902年から世界一周の自転車旅をしたことも紹介されている。初耳で、深堀してみたくなる話だ。

 これまでに何冊か自転車のことを書かれた本を読んだ。自転車購入の手引き書のようなものから、整備マニュアル、勿論、自転車旅行記も読んだ。『ずかん自転車』は、自転車関連本の広範な内容を一冊にまとめている。しかも簡単明瞭、わかりやすいことに驚かされる。

 「自転車をもっと楽しむ」という最終章に、自転車のメンテナンスを取り上げてあるところが心にくい。メンテナンスを自転車の楽しみのひとつに数えるようになれば立派な自転車愛好家である。大人が読んでも目からうろこの落ちる一冊、児童向け図書、おそるべし


去年の桜
今年の桜

千年前の桜
千年後の桜

同じ場所に
同じときに
咲きながら

咲き方を変えて
見せ方を変えて

来年も春が来ることを
しっかり約束している









2 件のコメント:

  1. べーえんべー2025年4月17日 21:12

     『ずかん自転車』という図書は、児童向けなのですね。でも内容を見る限り、自転車愛好家にとってぜひ読んでみたくなる構成になっているようです。また2023とあるので、ほぼ最新の情報ですから写真や図もきれいなはず。自転車に精通しておられるMARIOさんでも一つずつノウハウを確認できる書物だったようで、私の子どもの頃にはとても考えられないことです。

     私の職場には、中学生の教科書や便覧などを手軽に目にすることができます。自分が興味をそそられるのが国語や社会、理科や技術で、時々パラパラめくって斜め読み。これがとても楽しくて時間のたつのを忘れます。好きな部分だけを読むのだから余計でしょうね。中学時代、こうやって集中して読んでいたら、成績も上がっていたのかなあと思ってみたり。まあ歳を重ねて今になったからそう思うのでしょうね。

     それにしても、日本では開国してから明治維新を経て間もない1884年には自転車で世界一周をしたというスティーブンスさん。これには驚きしかありません。
     2週間にわたって自転車にまつわる児童図書のお話、楽しく読ませていただきました。
     まだ4月というのに、夏日到来のようです。自転車の走りも夏仕様となってきますね。お気をつけて楽しんでください。

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  2.  若い人たちは紙に印刷された文字を読んだり図表を見たりするより、液晶の画面に表示されるものを見る方が多いようですが、紙の本には捨てがたいところがありますね。

     今回の図鑑も、インターネットの情報では途切れ途切れになりそうなものをうまくまとめられているので、とても興味深く読むことができました。

     紙の本はページを読み進んだり、必要があれば戻ったりできるところがいいです。私は本のページに、意見を書きこんだり落書きをしたりする癖があるのですが、それも紙の本だからできることです。もっとも図書館の本ではそれはできません。

     べーえんべーさんの体調はいかがでしょうか。早く自転車を再開できることをお祈りしますが、乗れない期間は自転車関連の紙の本をひもといていただくのもよろしいかと存じます。

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