自転車はこける。誰でもこける。どこでもこける。椿大社で出会った80歳のベテランライダーがいっていた。「自転車はこけますからね。お互いに気をつけましょう」。判ってはいるが、自分はこけない。今日はこけない。ここではこけない。そういう慢心がどこかにある。
一昨日、友人と二人で遠出をした。多度から養老をめざす。帰路は養老山脈を回り込んで北勢方面へぬける。およそ80㎞のコースだ。
往路は養老鉄道に沿って旧道を走る。養老駅を過ぎて旧道の途切れたところで、交通量の多い県道に出た。側道を走っていると、前方に樹木の枝が張り出している。後方を確認して車道へ出ようとした。そのときである。
自転車の前輪が側道と車道のわずかの段差に引っかかった。アッという間もなく大転倒。自転車が突如消えた、ような気がして、身体は路面に投げ出された。
オートバイで何度か転倒しているので判る。後輪のわずかなロックやスリップは立て直せる。前輪は少しでもコントロールを失うと、まず、こける。しかも転倒の仕方が不自然で危険だ。頭がガツンと路面に叩きつけられた。
あぁ、自転車でも転倒事故をやらかした。脇見をしていたわけではない。注意を怠ったわけでもない。道路の段差に気づいてもいた。自分はこけないという慢心が招いた惨事。
一緒に走っていた友人が気遣って、身体と自転車のダメージをチェックしてくれた。幸い、肘と膝に擦りむき傷がある程度だ。自転車にも大きな故障はない。
ホッとして、煙草を一服。ヘルメットも調べてみる。何と、側頭部の緩衝材が割れている。路面に頭を打ちつけたのは気がついていた。ヘルメットが身代わりになってくれた。
スポーツ自転車を始めて以来の惨事。ではあったが、その後も45㎞ほど走って、無事に帰宅できた。転倒して、なお、強がりをいうならば、高齢だからこけたのではない。自転車は誰が乗ってもこける。
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静止しつづけるとは限らない 平穏 |
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| 保たれつづけるとは限らない 均衡 |
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| 整然と並べた列のすき間の 混沌 |
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引力に逆らいつづけているという 法則 |




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