ただいま、膝が痛くて療養中。とはいうものの、じっとしているのは性に合わない。日中、椅子の上で過ごす時間はほとんどない。座っているのは、映画を観ているときか、床屋で散髪をしてもらっているときくらいである。本を読む時間も最近はめっきり少なくなった。テレビは観ない。要するに一つところに静かに座っていられない。
それでも、早く膝を治すためと観念して動き回らにようにしている。猛暑を避けて、音楽の聴き貯め、映画の観貯めをするにはちょうど良い。暇にまかせてインターネットで自転車と膝の痛みについて検索してみた。あるわあるわ。ネット上に種々雑多な記事があふれている。ライディングフォームの改造、ペダリングの方法、他にもサドルやクランクの長さの調整など。記事の多さに圧倒される。
フォームを直して身体に負荷のかかる場所を変えれば痛みが軽減する。内股気味にペダリングするのが良い。サドルの位置を前後させると、膝の痛みが出る場所が変わる。サドルの前後を上げ下げして調整すれば、膝や腰骨、股関節かかる負担が減る。調節はミリ単位で行う。さらには、身体に合わせてサドルを買い替える。記事が多すぎて、何が本当か判らない。情報過多の極み。
自転車は単純な構造でありながら、何かと繊細な調整がいることは判る。しかし、ゆったりと楽しむ乗り方に、サドルやハンドルの位置をミリ単位で調整する必要があるとは思えない。しゃかりきになって長距離を走るのが目的ではない。レースに出てコンマ1秒を争うのが狙いでもない。どうしてもしっくりこないところがあれば、可能な範囲で調整すればいいだろう。サドルやクランクを無算講(むさんこ)に買い替えるなどやりすぎである。
とはいえ、ネットに公開されているような意見や見解に素直に従ってみれば、良い結果が得られることもあるかもしれない。次に自転車に乗るときには、サドルの位置とか角度とか、もう一度見直してみたい。人のいうことを虚心坦懐に聴くということについては、膝の治療も同じだろう。ストレッチを丁寧にすること。使いすぎないように、使わなさすぎないようにすること。主治医の言いつけを守ることである。
20年ほど前に四十肩で肩が回らなくなった。そのとき、医師をしている友人から言われた。「リハビリに通うといいが、忙しいから無理だろう。代わりに、風呂で肩を温めてからアイロンを持って肩を回せばいい。そのとき気をつけることが一つある。アイロンの取っ手のネジを増し締めしておくこと。アイロンの本体が外れて飛ぶと危ない」 言われた通りにしていたら、肩の故障はいつの間にか完治した。アイロンが宙を飛んで、壁や家族を傷つけることもなかった。
通販で買った最初の自転車(アンカー UC5) 仕事から帰ったら家に届いていたので梱包を解いてすぐに撮影 対面販売で買ったのではないでの、身体に合わせた調整はしてない 自己流で自分の身体に合うようにおいおい調整する |
サドルの位置とか何とか いろいろと調整したり好みのものに交換したり フレーム以外はほとんど原型をとどめない 自分の身体に合う1台になって来た
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愛車ラレーのハンドルとサドル 位置や角度や寸法や 調整しては走り、止まっては調整し ようやく身体になじんでくる |
マディ・フォックスのサドル サドルの位置や角度の調整はもちろんやってみた MTBはタイヤが太くて漕ぎ出しに力がいる 膝には負担がかかるかもしれない |
お気に入りのサドルに交換していると 不要なサドルが増えてくる 仲間のものと交換するなどして 自分に合ったものを見つけるのも面白い |
膝の回復具合は順調でしょうか。友人である医師の的確な診断と患者に合った治療法により、自転車復帰もそう遠くないと思われます。先ずは焦らずに。
返信削除しかし、MARIOさんの性格ではじっとしていられないでしょう。現況で最大限できることを探して行動する。これが私では到底できないこと。ただ何となく過ごして、時間を無駄にしてしまう。反省しなければ。
いつもブログの中で、ちらっと光る知性の片鱗を嫌味なく伺わせていますね。
『むさんこ』って、てっきりこの地域の方言だと思っていましたが、無算講という立派なことばだったのですね。勉強になりました。
また『虚心坦懐』という言葉が、文章の流れの中で自然にでてくるとは、流石文学壮年だなと感心します。単に私がボキャブラリー不足だけなのかも(笑)。
コメントありがとうございます。
削除「むさんこなことすると あかんぞね」とよく祖母に言われました。祖母や母が使っていた懐かしい言葉を、ときどき思い出します。きれいな響きのある言葉や深い意味のある言いまわしを若い人にも使ってほしいです。
こんにちは。写真の新品アンカーUC5。現在乗っているクロスバイクと同じものとは到底思えませんね。改良を重ねて自分の嗜好や乗り味に近づいていくなかで、より愛着がわくとともに愛車への労りが増していくでしょう。
返信削除確かクロスバイクだけで、もう数万㎞は走破されていると思います。部品の交換、パンク修理、各部の微調整など、その辺の俄かチャリダーはMARIOさんの足元にも及びません。
まるで生き物を扱うように、丁寧にやさしく自転車と対話しながら走る。
そんな持ち主(飼い主)に巡り合えたアンカーは幸せものです。