'25.10.3 一本の柿の木

2021年1月2日土曜日

新春 初乗り

 元旦には日の出の見える海岸まで自転車で走ると決めている。毎年、同じ場所まで身を切るような寒さの中を15㎞ほど走る。夜型の自分がこのときだけは早起きをする。車で行くのにも一大決心がいるのに、自転車で出かけるとは酔狂にも程がある。

 今年は年末に雪の予報もあって半ば断念していた。確実に日の出が見られると判っていればいいが、期待して出かけても日の出のシーンに出会えないこともある。ちょうどその時刻にだけ水平線に雲がかかるということだってある。行かないと決めれば早起きすることもない。

 初日の出を拝むという風習についてネットで検索すると、「Exiteニュース」というページがヒットした。記事によれば、「元は宮中行事で一年の始まりに行われる四方拝(元日の早朝、天皇陛下が夜明け前に伊勢神宮、山陵および四方の神々に礼拝する年中最初の行事)が庶民の間に広がり、形を変えて継承されてきたという説や、初日の出とともに降臨する歳神様を迎えるために拝むようになったという説」が紹介されている。初日の出を拝むというのは明治時代から始まった比較的新しい習いで世界的にも珍しいのだとか。

 1231日の日の出も12日の日の出も、時刻や場所はほとんど変わらないのだから、元旦の日の出だけをそれほどありがたがって拝むことはない。年が改まるということがご来光を神聖な気分で迎えようという特別な気分にさせるのだろう。

 現役の頃、担任をしていた学級で初日の出を見ながら新年初めの学級会をしたことがあった。そのときの記録が199034組学級通信『さわやか』に残っている。

「初日の出はきれいやった!」  初めて見たという人もいた。もちろん今年の日の出を見るのは全員初めてである。6時半に、集合場所にしておいた城南の灯台に行くと、すでに20名程が来ていた。家から歩いてきたというすごい根性の人もいる。まだ、あたりは暗い。「おーい」「せんせー」と暗い中でみんな呼び合っている。やがて、あたりが明るくなって、真っ赤な太陽の端が海の上にあらわれる。〇めっちゃきれーっ!のぼるのがはやーいっ(恵)〇良い年でありますように…(章太郎)〇 Oh!  Wanderful(公一)〇すごーく きれい。心あらたに1年間がんばる(典子)

 すっかり大人になった当時の生徒に今でも同じ場所で会うことがある。昨年は、やはり懐かしい卒業生が家族全員で来ているのと出会った。「せんせ、自転車で来とるの? 歳のことも考えやな。気ぃつけとってよ」と言われた。別れ際には「来年も元気にここで会いたいね」というお決まりのあいさつになった。来年も、来年もと言って30年も続いている。

 さて、今年の初日の出。諦め気味ではあったが、念のために早く起きて東の空を見るとほのかに明るい。道路が凍結しているわけでもない。行かないという手はなくなった。今年は出かけるのを迷った人も多かったのかいつも行く場所に人影はまばらで、昨年会った卒業生とは会えなかった。太陽は、いつもの年のいつものところから真新しい姿を見せてくれた

迷いながら家を出た
夜明け前のコンビニの灯りに誘われる
空がかすかに明るいので期待はできる

初日の出を待つ空気が冷たい
西の空で去年の月が名残を惜しんでいる

新しい太陽がのぼる予兆

今年は今年の新しい太陽

来年年賀状はこの写真にするか…
鬼に笑われそうではあるが…























 








2 件のコメント:

  1. 新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
     
     年明け早々第1弾も、素敵な内容でした。
    よほどのことがない限り、毎年欠かさず初日の出を拝んでいるとは、
    さすが太陽系の中心であるお日様の力はすごい。

     大昔からどの国の人たちも太陽を崇め奉ってきたわけで、
    毎朝太陽が東空から顔をだし、一日中しっかり大地にエネルギーを注いでくれている。
    なのにこれを当たり前と思って感謝の念を忘れている人たち(自分も)。
    反省しなければいけませんね。

     そんな意味でも、一年をスタートする1月1日にご来光を拝むというのは、
    地球人として大事な仕事かなと思います。

     MARIOさんは、それを30年もの間、ほぼ毎年続けてみえるのは、恐れ入ります。単なる意地とか拘りだけではできないです。すばらしい。真に継続は力なりです。

     私も来年は、初挑戦してみようかと思っています。でも、あの極寒の状況で家を出るのは、かなりの勇気が必要です。無理かも。いや無理だな。

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    1.  お忙しいとは存じますが、今年もつたないブログを読んでいただいて、コメントをいただけるとありがたいです。どうぞよろしくお願いします。
       ブログを書き始めて、いろいろなことを振り返る機会ができたので、ご来光を迎えるのが30年もつづいているのかと、改めて気づく次第です。
       どうしてもやらなければならないと思うとプレッシャーになるので、いつでもやめられると思って、自然体でつづけるのがいいのかもしれません。自転車にも、乗らなければなどと頑張ると面白くなくなると思います。乗りたいから乗る、面白いので乗る、くらいがちょうどいいです。
       べーえんべーさんさんも、初日の出を見に行ってみようかなと、その時になって思われたら行く、くらいのゆるいお気持ちで考えられたらいいと思います。
       70歳近くにもなると、知らないうちに30年もつづけているということがだれにでも一つや二つはあるかもしれませんね。

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