三岐鉄道北勢線は全国でも数少ないナローゲージの鉄道で、営業距離20.4㎞は全国で一番長い。始発の西桑名駅から終着駅の阿下喜まで、ゆっくりとしたスピードで田園風景の中を走る。高校へはこの電車で通った。当時は、手動式のドアを自分で開閉して乗降した。我が家は、北勢線の営業区間のちょうど真ん中に辺りにある。桑名、阿下喜のどちらへも10㎞ほどの距離である。
近所の自転車に乗る知人が、天気が良ければ朝のうちに必ず阿下喜駅まで走るという。目安の所要時間を決めておいて、同じ時間帯に走る。日課になっていて、走らないと落ち着かないらしい。それを聞いて、幾人かの人が同じように走り始めた。
私も自転車通勤していたころは、往復の25㎞を毎日走っていた。決まったコースを同じ時間に走る。無理のないペースで毎日自転車を漕ぐのは、身体を動かすのにちょうど良い。仕事を辞めてからは定時に同じコースを走るという乗り方はしなくなっていたが、知人の話を聞いて再開することにした。通勤や通学の車や自転車が道路から姿を消す9時ころに家を出て、阿下喜まで走るというやり方を真似てみる。
寒い朝や強い向かい風の日は、家を出て走り始めるのにちょっとした気合がいる。仕事に行くわけではないので、どうしてもというものでもない。一丁、阿下喜までチャレンジするか、と自分に声をかけて走り出す。交通量の多い道をさけて田んぼの中の道を走り始める。途中、北勢線の線路に沿って走り、員弁川の堤防を遡上する。正面には日々変化する藤原岳の山容を臨む。
コースは往路が登り基調で、向かい風が吹くことが多い。10㎞を30分以内で走るとすると、平均時速20㎞で漕ぎ続けることになる。私の力では、阿下喜アタックと呼べるペースだ。示し合わせたり競ったりして走るわけではないが、同じころに同じ道を知人も走っていると思うと、トライアルの気分でもある。阿下喜ランと命名してもいいかもしれない。
アタックとかトライアルとか、あまり力まないで、ゆったりと阿下喜ライドを楽しみ、ポタリングを決め込むのもいい。その日の気分で、わずか10㎞ほどをいろいろな走り方で楽しむ。走る楽しみだけではない。毎日変る沿道の景色も楽しむ。阿下喜に着くと、駅前のコンビニでコーヒーを買う。知っている顔に会えば、しばし歓談。帰りの道のりも同じだけ楽しめる。時間と余力があれば、阿下喜を通り越してもう少し先まで行くこともできる。
チャレンジ、アタック、トライアル。ランにライドにポタリング。サイクリングやバイシクリング。言い方を変えれば、気分も乗り方も変わるが、畢竟、天気の佳い朝には、阿下喜まで自転車で「お出かけ」をするということである。
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農繁期以外は人も車もいない道を行く 阿下喜チャレンジ専用貸し切りロード |
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三岐鉄道北勢線と一緒に走る すれ違ったり追い抜かれたり |
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運行速度は最高が40㎞/h程度なので 場所によっては自転車で追い抜くことも… |
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員弁川に沿って阿下喜を目指す 見慣れた風景が毎日姿を変える |
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毎日のように訪れていても懐かしい気がする駅舎 電車もここまでくると心地よく疲れているだろうか |
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阿下喜チャレンジマップ? 青い線の上に楽しみがある |
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おまけ: 阿下喜駅から北に徒歩2分 この偉大なミスマッチ 日本家屋のウェスタンバーガー店 店を再興してくれる人を募集中らしい |







阿下喜チャレンジとは、楽しそうですね。
返信削除片道10㎞を30分を目途にとはピンときませんが、倍の20㎞で1時間。
ならば40㎞で2時間となります。
そこでふと浮かんだのがマラソン選手。世界記録が42.195㎞を2時間2分台。
マラソンランナーたちは、時速20㎞を保ちながらアップダウンの道を走り続けるわけですから、まさに驚異的です。
地図にあるブルーラインは、半ばMARIOさんのホームコースのようなものですね。昨日走った道でも、今日見る景色は違っている。一日たりとも同じ日はない、それを感じることができるのが素晴らしいです。
ウエスタンバーガーはじめ、阿下喜には渋い街並みがありますね。
私も時間を見つけて、散策してみようかと思います。
ウェスタンバーガー屋さんの隣にアートギャラリーがあります。そこのオーナーさんでしょうか、店を見ているときにその人に話しかけられました。このお店、中はすごくおしゃれで、そのままになっているので、どなたかうちの隣でお店やっていただけないかと思っているんです。とのことでした。自転車の仲間と相談して、ハンバーガー屋さんをやってみる? そうなると、自転車に乗る時間が無くなるし…、思案のしどころですね。
返信削除阿下喜にも、自分の町にも、古くて新鮮で意外で素敵な街並み家並みがまだまだ残っています。自転車で探訪する価値はありますね。