冬をむかえる

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'25.1.22 山を見て走る

2021年9月25日土曜日

自転車関連本のこと

 2012年の春、「じぃちゃんは退職金をもらったので、フェラーリを買うぞ」、と孫に宣言した。コンピュータを開き、孫と一緒に売りに出ているフェラーリを探した。R/C 1/20  フェラーリ FXX2,019円。太っ腹で、姪の息子にも1台買った。R/C 1/32エンツォ・フェラーリ、1,173円。ラジコンのフェラーリ2台、総額3,192円。アマゾンの購入履歴に残っている。実車なら中古でも2台で3千万円を下るまい。

 おもちゃのフェラーリを探していて、自転車にもフェラーリ製があるのを見つけた。コルナゴ、ビアンキといったイタリアの高級自転車メーカーとフェラーリがコラボして作った100万円を超えるものから、3万円で買える中華バイクまである。スポーツ自転車に興味がなかったので、値段による違いはよく判らない。自転車とはこんなに美しいものだったかと、改めて気づくきっかけにはなった。

 その夏、クロスバイクに乗らせてもらう機会があって、スポーツバイクの面白さが見えた気がした。自転車に関する本や雑誌を買ってみた。最初の一冊は『街乗り&通勤バイクカタログ 2012』(枻出版,2012)。次に『自転車と旅 週末の自転車の楽しみ方』(実業之日本社,2011,Vol.5)。この2冊とネットの記事の乱読で、自分は近々スポーツバイクを買うだろうなという予感がした。

 秋口にはネット通販でクロスバイクを買った。通販店が『要点早わかり ロードバイクメンテナンス』(枻出版,2008)という本をおまけに付けてくれた。これがよくできた手引書で、今も自転車いじりには欠かせない。自転車の整備をしながら汚れた手でページを開くので、この本はオイルや泥で真っ黒になっている。

 自転車を手に入れてからは、自転車関連本が書架に並ぶようになった。            

 整備や構造に関する本では、『ロードバイクの科学』(スキージャーナル,2008) 『クロスバイクがいちばんわかる本』(スタジオタッククリエイティブ,2011) ・『自転車組立、検査及び整備マニュアル』(日本車両検査協会,2020) といった具合だ。

 乗り方や効能、自転車旅に関する本を推薦するなら、・丹羽隆志『大人のための自転車入門』(日本経済新聞社,2005) ・米津一成『自転車で遠くへ行きたい』(河出文庫,2012) ・疋田智『だって、自転車しかないじゃない』(朝日新聞出版,2013)  ・石田ゆうすけ『行かずに死ねるか 世界95千㎞自転車ひとり旅』(幻冬舎,2009といったところか。

 電子本なども合わせればかなりの冊数になるが、中には読まなければよかったと思う本もある。自転車に乗れば簡単にダイエットができるといってみたり、無用な高級自転車を薦めたり、そんな本は眉唾物だ。本は選んで、乗ってから読み、読んでから乗れば、自転車の面白さが広がる。先達がいない自分には、自転車に関する書籍が何よりの道しるべなのだ。


雑誌やカタログは保存したい物だけにして
人にあげたり処分したりしてもまだ貯まる

石田ゆうすけ『行かずに死ねるか…』
これは自転車に乗らない人にもきっと面白い
           
電子ブックも何冊かタブレットに保存中
志賀直哉さんも、朔太郎さんも、
漱石さんだって、自転車での失敗は多い

秋、好天、曼殊沙華妖艶
本を読んでいる暇はない

秋、紺碧、曼殊沙華炎上
本は机上に開けたままで

秋、明澄、曼殊沙華昇華
本は書架にしまいこんで

空と華は溶けあい
青と朱が染めあう
秋色の光のなかで
いなごがとまどう








2 件のコメント:

  1.  自転車に関する書籍だけでもすごい数ですね。
    乗る楽しみから整備する喜び。自分だけのオリジナリティをめざす目標。文学者たちの自転車談。
    MARIOさんは興味をもったものにはとことん追求しないと気が済まない性格のようです。
    文学から映画、バイクに自転車、プラモなど枚挙にいとまがありません。

     これほど毎日の時間を有効に使っている人は珍しいし、羨ましいかぎりです。
    少なくとも私の数倍は、人生を楽しんでおられると思います。何も考えずに、昨日と同じ一日が過ぎていくほど、もったいないことはありません。
    私も70歳に近づき、自分のやってみたいこと、やりたいことを見つけ、MARIOさんのような生き方に近づけるようにしたいです。

     今回の曼珠沙華と自転車の写真、まさに秋本番ですね。添えた言葉(詩)が画像を引きたてる。
    自転車に留ったイナゴさん、ナイスショットですが、ヤラセではないですよね。
     『行かずに死ねるか…』『自転車日記』、読んでみたいと思います。

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  2.  歳を重ねるにつれて、いろいろなものと向き合い、対話ができるようになってきたと自分では思っているのですが、撮影の打ち合わせができるほどイナゴとは話ができませんでした。やらせではなく、自然体で撮らせてもらいました。

     自然体で、流れのままに、自分のやりたいことを重ねていれば、楽しみもわいてくるような気がします。きっと、みなさん人生の楽しみをお持ちで、それは較べようのないものかもしれません。

     
     
     

     

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