'25.10.3 一本の柿の木

2022年4月30日土曜日

ハイブリッドについて

   自転車仲間の何人かがe-Bikeに乗り換えた。今、注目株の自転車である。これまでの電動アシスト自転車とは少し趣がちがう。電動アシスト自転車は文字通り、電気モーターがペダルを踏む力を助けてくれる。ヘルプではなくアシストなので、全面的に助けてくれるのではなく、必要なときに補助してくれるという感覚だろう。

 e-Bikeもモーターのアシストを受けるという構造は同じだが、積極的にペダルを踏むのが前提になっていて、変速機が充実している。乗車姿勢もスポーツバイクと変わらない。乗り手に脚力があれば、モーターの力を借りずに変速機を駆使して自力で遠くまで行ける。電気に頼り切りでは、実用自転車をスポーツバイク風に作り変えただけという意地の悪い見方もできる。

 自動車の世界ではハイブリッド車が多くなった。HEV(ハイブリッド・エレクトリック・ヴィークル)という。内燃機関とモーターを組み合わせ、電気で(も)走る自動車が増えている。普段はエンジンで走るが、走りながら充電した電気を蓄えておいて、必要に応じその電力でモーターを回す。電気モーターの力も車の推進力に使う。これは、パラレル・ハイブリッドという。

 ハイブリッド車にはもう一つ方式があって、エンジンは発電の仕事だけをする。エンジンで発電した電力を使ってモーターを回し、自動車を走らせる。シリーズ・ハイブリッドといわれるものである。車を走らせるのはモーターの力だけなので、いわば電車である。

 車から完全にエンジンを降ろしてしまったのがBEV(バッテリー・エレクトリック・ヴィークル)である。これはもう完全に電車だ。燃料を燃やさないので走行中のCO2排出量はゼロになる。

 HEVやBEVは燃費が節約できて、環境にも優しいのが売りだ。カーボンニュートラルの時代に向けて、さらに技術革新が進み、いずれは電(気自動)車が主流になるだろう。それは好ましいことかもしれないが、エンジンのない自動車というのは古い者にはピンと来ない。  

 e-Bikeもハイブリッドの一種だが、これは、パラレル式でないと成り立たない。ペダルを踏む力に応じて電気モーターがアシストする。走り出す前に、ペダルを踏んで発電し、電力を蓄えておいてモーターを回すというのでは、出発までに時間がかかり過ぎる。ペダルを踏まなくても、モーターだけで走るようにすると、原動機付き自転車ということなって運転免許が必要だ。電動オートバイと区別がなくなり、もはや自転車ではない。 

 e-Bikeは発展途上の自転車なので、今後さらに進化を遂げて、自転車の主流になるかもしれない。自転車といえばハイブリッドのe-Bikeのことをいう時代が来たとしても、人力のみで走る自転車はきっと残るだろう。乗り手が健康でありさえすれば、燃料なしで走れる。こんな経済的で環境に優しい乗り物は他にない。


花から葉桜へ
季節が自転車を歓迎してくれる

自転車の季節の到来に
遠くの山が微笑む

今日はまたひとつ
新しい橋を渡る

新緑が出迎えてくれる
自転車が季節の色に染まる

今日はまた新しい季節の
花の香りに誘われて走る

風に背中を押されて走る
自然と私のハイブリッドだ


2 件のコメント:

  1.  MARIOさんの博学ぶりと研究意欲には恐れ入ります。
    おそらくこの姿勢は、この世にいる間持続されるでしょう。
     e‐Bikeは自分が乗っていないせいか、もう一つ馴染めないというか邪道に思えてしまいます。やはり自分の力で走らないと、と思ったり。とはいえ、ギヤ数をふやしたりタイヤを細くしたりするのも、よりラクに速く走るためのアイテムだから、考え方は通じていますね。
     このところモータースポーツもフォーミュラEの人気が急上昇。時代はeに流れていますね。何かさみしい気もします。
     今回も初夏を告げるさわやかな情景とフレーズが心地よいです。

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  2.  知人の乗っているe-Bikeに乗らせてもらったことがあります。モーターのアシストのおかげで実に軽く走ります。脚力が衰えても、ある程度のスピードを保って長時間走ることもできそうです。身体の負担はかなり軽減されると思います。

     しかし、べーえんべーさんの言われるように、自分の力で走っていないような気がして物足りないところもあります。

     新しい技術を採り入れた、ハイブリッド車やe-Bikeも食わず嫌いならぬ乗らず嫌いにならないように、試してみる価値はあるでしょうね。知らないままでいて、あとで損をしたと思わなくてもいいように、機会があれば何でも新しいものを試してみたいです。

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