冬をむかえる

冬をむかえる
'25.1.22 山を見て走る

2023年7月22日土曜日

自転車の出番あり

  父の葬儀を終えたが、その後も弔問客が続いている。通夜や葬儀に参列できなかったといって、家を訪ねてくださる人がある。留守にしているわけにはいかない。

 家にいつづけて身体を動かさないとどうも体調がよろしくない。自転車にはしばらく乗っていない。屋外へ出て狭い庭の芝生を刈ってばかりいると、芝生の元気までなくなりそうだ。

 暑いので家にこもって映画など観ている時間がここのところ増えた。何本も同じような傾向の作品ばかり観ていては飽き足りない。この際、変わった映画も観てやろうという気になる。

無声映画など面白そうだ。小津安二郎監督『大人の見る繪本 生れてはみたけれど』(1932)、『出来ごころ』(1933)。これが、妙に新鮮である。モノトーンの画面に慣れると、色彩が見えてくる。父の子ども時代くらいに撮られた作品だろう。

 自分が生まれ育った時代の作品も探してみる。同じ小津監督の『父ありき』(1942)、『長屋紳士録(1947)、戦後の作品になると役者はセリフをしゃべる。さらに、『東京物語』(1953)、『東京暮色』(1957)、ちょうど私の生まれたころである。小津監督の映画は品行方正で、枠にとらわれ過ぎのきらいもある。ちょっと窮屈で退屈になる。少し傾向のちがった同時代の作品を探してみると、ありました。

久松静児監督の『警察日記』(1955) 、『続・警察日記』(1955)。ここまで来てようやく、映画の中に自転車の出番も、ありました。警察署の日々を描く作品なので、おまわりさんの自転車が続々と登場。古い時代を設定をして撮った映画ではなく、時代はリアルガチなので興味は尽きない。

町の中をゆっくりと警らする自転車、事件現場へ急ぐ自転車。警察官が大勢で駆けつけたと思わせる何台も駐輪された自転車。役者の演技とは別のところで、自転車も演技する。当時は新しかったはずの、時代を経て今は古い自転車。つい、そういうところへ目が向かう。悠長ともいえる物語の展開とノスタルジー。こんな映画もあるし、こんな映画の観方もあって、自転車の出番もあるというお話。

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時代をさかのぼれば
見えてくるものがある

これと同じ光景を
小学校の帰り道で
見たような気がする

馬とすれちがった
おまわりさんに
私も同じ道で
すれちがった

映画のおまわりさんは
家の近くの駐在所にも
いた人のような気がする

ぼく(右)も
同じ時代を生きた
子ども心に
おまわりさんは
怖かった

時代をさかのぼれば
同じ場所に行きつく


2 件のコメント:

  1.  忌明け(49日)も近づいて、いつも通りの日常が動き始めると、相棒である自転車とのつき合いが復活しますね。

     退職してから10年以上苦楽をともにしている(笑)わけだから、自転車は仲のよい友達を超えている存在ですね。機械とはいえ、お互いの気心が通じ合えるツーカーの仲かと察します。

     今回の紹介されている映画『警察日記』、Amazon primeで端折りながら観ました。自分が生まれた頃の作品ですが、俳優陣はその後も活躍されている方たちなので身近に感じつつ、いろいろな角度から観賞できました。登場する自転車もとても新鮮でした。

     さて、梅雨明けしてから暑さが半端ない毎日。すでに年平均の猛暑日数を上回ったそうです。MARIOさん、久しぶりの自転車でしょうし、くれぐれも無理をなさらずに走行してください。

     

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  2.  連日、猛烈な暑さが続きますが、べーえんべーさんはお変わりなくお元気でお過ごしですか。自転車の方は乗っておみえですか。

     私は朝に弱いので、家から一歩踏み出すのは8時ころになる日もあります。その時刻になると、背中が焼け付くくらい気温が上がっているのを感じます。

     しばらく自転車に乗っていないので、この暑さの中、自転車に乗り出せるものかどうか、ちょっと弱気になって思案しています。

     紹介した『泥棒日記』を観られたそうですが、この時代には夏が今ほど暑くなかったでしょうね。日本の夏も暑くなったものですね。子どものころにはこんなに暑くなかったでしょうね。何しろ、クーラーなんてありませんでしたから。

     相棒が待ってくれているとはいえ、あまり無理をしないで、ぼちぼちと機会をみて走り始めようと思います。

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