'25.10.3 一本の柿の木

2023年7月1日土曜日

マゴチャリ(孫の自転車)Ⅱ

  中国の人がやっている廃品業の店で、子ども用自転車を1,000円で買ったことは前にも書いた。これは乗れないと思うが買っても大丈夫かと、店主の方が心配していた。フレームや部品はかなり錆がすすんで、タイヤは擦り減りパンクしていた。

 危ないと思われるタイヤやブレーキなどは新しい部品をネットで購入して交換した。安いホイールを買ったら、新品にもかかわらず軽く回らない。ハブ(軸)を分解してグリスアップするというおまけの仕事までついて来た。

 廃品の自転車ということは、孫本人にはいわずに、出来上がってからを見せることも考えた。再生させるということも伝えたかったで、種明かしをした。ハンドル周りの部品やペダルなど最後に組み付けるところは、孫にも手伝ってもらった。

 いよいよ試乗である。初めから道路へ乗り出すわけにはいかない。公園自転車デビューということになった。小さな自転車を乗り回していたので、公園内で走ることにためらいはない。勢い込んで乗り出すが、今までと勝手が違う。大きくて重い、しかも何と6段変速付き。走り出してみると勝手が違うので戸惑っている。

 おっかなびっくり少し走るだけで、もっとスピードを落とせと言わなければならないほどに乗りこなす。しばらくはわが家に自転車を置いて、孫と一緒に乗ろうと思っていたが、自分の家に持ち帰りたいといって、その日のうちに父親の車に積んで帰っていった。

 後日譚である。孫の家の向かいに孫と同じ歳の男の子がいる。孫の家を訪ねて、二人が自転車で遊んでいるところに出くわした。「このおじいちゃんがぼくの自転車を作ったんやで」、「おじいちゃんは、自転車でどこまででも行く人やで」と私を友だちに紹介してくれた。 

 再生した自転車をかなり気に入ってくれているようだ。孫のいう、「自転車でどこまででも行く」というのは、どこまでのことかよく判らないが、そのいい方はあながち間違いでもない。

自転車が小さくなったと
みんながいうのだけれど
ぼくが大きくなったのだ

自転車が大きくなっても
ぼくは小さくならないで
ぼくもまた大きくなった

早く乗れるように
ぼくも組み立てを
手伝うことにする

はじめて乗ってみたら
大きくなった自転車は
ちょっと手ごわそうだ

でも少し走れば
ほらこのとおり

これなら自転車で
どこまでも行ける























2 件のコメント:

  1.  文字通り廃品だった自転車を1000円で買い取り、新品のときより綺麗に再生して、孫さんがいちばん乗りやすいように最終調整をする。素晴らしいです。
    自慢のおじいちゃんと、世界に一つだけの自転車ですね。

     写真を見る限り、孫さんのコーナリング姿がサマになっていますが、MARIOさん直伝の賜物なのか無意識なのか。
    身体の傾きや、視線がコーナー奥を探っているところなど、玄人はだし。いい感じです。
     
     一つ質問ですが、そう遠いところまで子ども自転車で出かけることは少ないと思いますが、パンクしたときのチューブや材料などは、確保してみえるのでしょうか。何事も用意周到なMARIOさんですから、野暮なことを訊ねたかもしれませんね。

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  2.  ブログのページを更新すると、すぐにコメントをくださりありがとうございます。コメントを書いていただいたころあいをみはからって、コメントも併せて楽しみに読んでいただいている人もあるようです。

     さて、改造その他で楽しませてもらったマゴチャリですが、孫もかなり喜んでくれています。乗りはじめから細かいことをいわない方がいいと思って、好きなように乗るのを静観しています。ブレーキレバーの握り方やペダルの踏み方は気になりますが、そのうち自分で自然に体得していくだろうと思っています。

     既に高校生、中学生になっている孫もいるのですが、彼らが小さかったころは、自分も現役で今ほど時間がありませんでした。自転車にも乗りはじめていませんでした。マゴチャリを作って遊ぶのは今回が初めてです。しばらくは孫と自転車で遊んでもらうつもりです。

     マゴチャリはスポーツ自転車のように簡単にタイヤが脱着できないので、パンク修理が面倒です。当面はそれほど遠くへ出かけることもないので、家に持ち帰っての修理になると思います。自分の自転車は自分で直せるように、これも子どもなりに体得していってくれることを期待しています。ときにはパンクなどで立ち往生することもいい経験です。

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