サーキットを走るレースやラリーに出場するドライバーなら兎も角、普段自動車に乗るために身体を鍛える人はあまりいないだろう。スポーツタイプといわれるような自動車に乗っているからといって、運転している間に体力が向上することも考えにくい。多少の敏捷性は養われるかもしれないが、敏捷性を試すために高速で公道を走るのは危険である。快適なドライブは、自動車という機械を如何に整備しておくかにかかっている。機械本位だ。
歩くとか走るとかいうのは、どうか。これは体力増進には効果がある。ウォーキングとかジョギングとか、健康維持のために日課にしている人も多いだろう。良く歩き良く走るために身体を鍛える人もいるかもしれない。歩いたり走ったりすることが鍛錬になるとも考えられる。歩くのも走るのも機械には頼れない。すべては自分の身体頼みである。体調を如何に整えるかにかかっている。人本位だ。
では、自転車はどうかというと、これは機械の性能と人の体力の両方が求められる。買い物や通学に自転車に乗っている間は、あまり自転車が機械であることを意識をしない。ある日、パンクをしたりチェーンが外れたりする。たちまち、機械の不備不調、自転車の不具合を嘆くことになる。うっかり転倒でもしようものなら、今度は身体のバランス感覚や体力の限界を責める始末である。機械と人の狭間に介在するものがある。
趣味で自転車に乗りはじめて、というか、乗りはじめたら自転車が趣味になってしまって、思い至ったことが多い。変速が上手くできないと自転車にも自分にもストレスがかかる。車軸やクランク軸の回転が重いと自転車も自分も消耗する。
坂道を登る。向かい風に逆らって走る。脚力の無さを嘆き、自分と自転車の重さを憾む。 機械の調子だけでもなく、体調だけでもなく、機械と自分の狭間に調和を見つける。機械の好調を維持し、体力の維持増進を図る。自転車の面白さである。
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| 桜米が実った |
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古代の米を 機械で植え 機械で刈る |
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| 機械と 折り合いをつけて 出かける |
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どこかで 足踏みをしている 秋を捜す |
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どこまでが機械の性能か どこまでが自分の体力か 混然として走りつづける |





「機械と人」自転車の場合、ちょっとした不具合は走りに大きく影響するでしょうね。エンジンのように強大なパワーが出ない人力をロスなく動力にしようと考えれば、ケアやメンテがとても大切だと思います。何より気分良く走れますよね。
返信削除自転車の整備に妥協せず、最高の調子を愛車に求め続けるMarioさんは相当マニアックな性分の持ち主だとお見受けします。まだまだ向上しようとされる熱意と行動力には本当に頭が下がります。
私なぞ年齢を重ねるにつれて探究心がどんどん薄れてしまい「まぁいいっか」と思うことが多くなってきました。鮎釣りを趣味にしていますが、ちっとも上達しないどころか以前より下手になっているのをこの夏、痛感しました。
この記事を拝読して、妥協せず12年間追求し続けるというMarioさんの姿勢を見習って、今一度釣技を丹念に追求しようと思いました。
わが決意を新たにしていただき感謝します🙏。
コメントありがとうございます。
返信削除12年も自転車に乗っていますが、何しろ体力がなくなってから乗り始めて、しかも、自転車いじりは素人の遊びの域を出ませんので、かなりいい加減な自転車乗りです。それでも、mino さんおっしゃる通りで、体力をカバーし高齢者でも楽に走れるように工夫をするのは面白いです。
なにしろ、人間の出力は普通0.1~0.2馬力(競輪選手などは瞬間1馬力くらい)だそうです。出来るだけ力をロスせず、高齢者でも楽に乗れる乗車姿勢や振動の軽減を工夫する価値はありそうです。
鮎釣りのご趣味の方も、それはそれは奥が深いだろうと拝察します。人と腕というよりは五感の延長のような竿や仕掛け、しかも、鮎という相手まであるわけですから、自転車より介在する要素が多いですね。
「まぁいいっか」と言いつつも、何かと工夫に工夫を凝らしておられるのではないでしょうか。私の場合、ささやかな年金暮らしで、高級な自転車や部品には手が出せず、「まぁいいっか」と諦めざるを得ないという歯がゆさはあります。
10日ほど前に、毎年恒例の人間ドックを健診。いくつかの項目に引っかかるのは、高齢なので仕方ないですが、前立腺がんの精密検査を勧められて来月MRI検査をすることに。骨密度を測定すると、若い人の70%の値、同年代と比較すると80%。バランスのよい食事や適度な運動を心
返信削除がけよとの診察。マイナス部分の指摘が目立ち、かなり落ち込んでしまいました。
毎朝夜明けと日没前に散歩をして、週に一度は自転車に乗るように気をつけているのですが、なかなか期待するような健康維持ができていないのが、つらいところです。
自転車と自分の狭間に調和を見つけ、悪い部分は修理調整し、体力の維持増進を図ってみえるMARIOさん。おそらく、今健康診断をしたら、ほとんどA判定になると思われます。
桜色に染まった古代米にマッチしたクロスバイク。ハンドルが前回と異なる印象ですが、MARIOさん流に手を加えられたのでしょうか。現状に満足することなく常に前
へ目を向けるポジティブさが、ここにも伝わってきます。
ときにはのんびり過ごすのも、いいものですよ(笑)。
コメントありがとうございます。
返信削除前立腺がんの精検とは、ちょっと心配なことですね。年齢とともに身体に不具合が生じてくるのは避けようがないです。検査の結果の出るまでは気がかりですが、何事もないことをお祈りします。
私は高齢者特別検診という簡単な検査しか受けたことがありませんが、きちんと検査をすれば何らかの異常は見つかると思います。あえて悪い箇所を捜すのですから見つかって当たり前と思い、人間ドックなどで検査を受けたことはありません。自覚症状がないのをいいことに医療機関とは無縁の生活をしています。
Minoさんやべーえんべーさんのコメントでお褒めをいただいているほど、探求心が旺盛でポジティブな生き方をしているわけではありません。社会貢献もせず、自分の好きなことだけやらせてもらって、これでは世間様に申し訳ないと思っています。
ブログの原稿にすると、どうも恰好よく書いてしまいますが、ありふれた日々を、自転車に救われているというだけのことです。それで多少は健康管理もできているとすれば、もっけの幸いというところです。