冬をむかえる

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'25.1.22 山を見て走る

2022年12月17日土曜日

発見「保々西城」跡

 自転車に乗らない時間をつくって、他のことにも目を向けると書いた矢先ではあるが、やはり、自転車で出かけることになる。

 北風の冷たい季節になった。家から出るのが億劫になる。自転車で出かける段になって寒さに(ひる)それを言い訳にして、自転車に乗らないというのでは意気地がない。

 この季節にはマウンテンバイクに乗り出すことが多い。空気抵抗が大きく、ペダルを踏むのにも力が要るが、スピードが出なくて当然という乗り方をするので、無闇に風に逆らわない。先を急がないので、ゆったりと乗れる。自転車の重量も大きいので横風に強い。改めて家の近くを散策するのにもちょうどよい。

 家から3㎞ほどのところに、県営北勢中央公園という大きな公園がある。自転車で出かけて散策するには恰好の場所である。先日、その公園に併設される野球場の裏に、「保々西城跡」という案内をみつけた。公園まではよく出かけているが、すぐ近くに城跡のあることは知らなかった。

 球場の奥を回り込むように城跡を目指す。枯れ葉の散り敷いた雑木の間の細い道を進む。樹の根っこなどが張り出していて、車輪をとられそうだ。常緑の木立も多く、進むほどに空が狭くなる。 

 葉陰にぽつんと立つ石碑を見つけ、ここが朝倉備前守によって築かれた保々西城の跡だと判る。1568年(永禄11年)の織田信長による伊勢侵攻の際に滝川一益の攻撃を受け落城するまでここに城があった。雑木林の中に当時の住居跡や空堀、主郭の痕跡が今も残る。

 城主や家臣たちは、500年近くも後に、マウンテンバイクなる乗り物が自分たちの居城に断りもなく入り込んでくるなど、思いもよらなかっただろう。自転車は簡単に時空を超える。いくつになっても、どこにでも、自分だけの新発見がまだまだありそうだ。

自転車が冬色に染まる

寒空の下の自転車の
密かな楽しみ

道が呼んでいるのか
私が訪ね入るのか

踏み迷い
落ち葉の鳴る音を聴いている

今日は今日の
自分だけの発見



 

2 件のコメント:

  1. 一般に城というと、名古屋城、大阪城、熊本城のように、スケールの大きなものを思い浮かべますが、実際には庄屋敷くらいのこぢんまりとした城が全国各地に多くあったのではと思います。あの木下藤吉郎が一夜で築いたといわれる墨俣城も、現在は天守閣を抱いた立派な建物ですが、実際はバラック小屋と防護柵程度ではないかと想像します。

     MARIOさんの近くにも梅戸城など、調べれば桑員地域でもかなりの数が見つかりそうですね。写真のように、落ち葉や雑木で被われていて、夏には生い茂った草むらをMTBで踏み込むのも躊躇しそうな場所だからこそ、500年経った今でも残っているのかもしれませんね。

     子どもの頃、裏山へ弁当持ちで秘密基地づくりやチャンバラごっこをしに1日中遊び回った記憶がよみがえります。ヘビやイノシシたちに幾度か遭遇したことがあったけれど、それほどの恐怖心は感じなかったです。

     MARIOさんのように子ども心を忘れずに、過去も振り返りながら新しいものを見つけて挑戦する心意気が、自分への活力となります。

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  2.  先日、子どものころから散髪をしてもらっている床屋さんへ行きました。今のご主人は私の5歳年上で、小さい頃によく遊んでもらいました。

     床屋さんの隣のセッちゃんという、今はおばあさんになっている人がいます。子どものころにチャンバラごっこをすると、お姫様役でいつも隠れ家の奥に座っていたのを覚えているかと訊かれました。

     セッちゃんのことを思い出すと、隠れ家の様子までよみがえりました。すすきの穂を縛って屋根をつくり、敵から隠すお姫様の役も大事だったと、思い出話に花が咲きました。

     500年前の武士たちも、昭和の子どもたちも、同じようなことをしていたのですかね。自転車に乗っていると、懐かしい光景に出会えるのも楽しいです。
     

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