冬をむかえる

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'25.1.22 山を見て走る

2023年10月21日土曜日

消しゴムマジック

  GoogleOneのメンバーとGoogleが販売するGoogle Pixelというスマートフォンのユーザーは、「消しゴムマジック」という機能を無償で使うことができる。Googleフォトアプリから写真を選び、「編集」をタップする。そこでツールから「消しゴムマジック」を選ぶ。するとAIが、写真に写り込んだ不要なものを選んで消去してくれる。

 先ず、AIが背景に写りこんだ電柱や電線、関係のない人物などを、消去する候補として選びだす。「すべてを消去」をタップすれば、候補に挙げられたものはきれいに消える。背景は修正され、あたかも初めからなかったかのように不要なものが消え失せる。消去するものをAIに任せるのではなく、自分で消したいものだけ選ぶこともできる。

 公開するブログには毎回写真を添えることにしている。自分としては本文よりも写真の方が面白いと思うことがある。ブログ用の写真は、毎回フォルダにまとめて保存しておく。写真の整理が同時にできるのは都合がいい。

 これまでに撮りためた写真も、一度Googleフォトにアップロードすれば、消しゴムマジックが使える。何枚か試してみた。夾雑物が消えると画面はすっきりする。すっきりはするが、どこか自分の撮った写真のように思えない。

 写真に関しては全くの素人で公開するのがはばかられるが、自転車のおかれた風景を紹介したいと思って、ブログに添えている。消しゴムマジックを使えば、下手な写真も少しは見栄えが良くなるかもしれないが、オリジナリティは損なわれてしまう。

 消しゴムマジックだけではなく、色調や明るさを自在に変えられるソフトもある。活用すれば写真撮影の腕が上がったように錯覚するが、小手先のごまかしは感心できない。自転車のおかれた風景は、オリジナルのままで残したい。修正は加えずに、下手は下手なりの写真をブログに残しておくことにする。


自転車のおかれた
私だけの風景

消しゴムマジックが
自転車を消して
影だけが残る

影すらも波が洗い流して
私の風景は跡形もない

自転車と影と背景が
記憶をつくる

魔法では
消えない
風景の記憶
記憶の風景

疲れた脚の形はAIが消しても
疲れた脚の記憶は脚に残る



2 件のコメント:

  1.  消しゴムマジックなるものが登場してきたようですね。写真撮影が苦手なひとにとっては、ありがたいものでしょう。不要な部分はAIがチェックして、ワンタッチで消去。さらには自分でも取捨選択して自由に加工できる優れものです。

     少し前にChatGPTとかいうものが出現してびっくりしていたのが、今度は写真も自動修正してくれるわけで、プロのカメラマン泣かせでもありますね。しかしMARIOさんがおっしゃるように、オリジナリティが失われ小手先のごまかしになるのはいただけません。自分独自のものにするのが、多少下手でも満足感が得られるように思います。

     とはいえ、新しい技術を使っていろいろ試してみるのも余暇の楽しみのひとつになりそうです。

     今回の写真で、砂浜の自転車から影だけが残された1枚。私はふと、サルバドール・ダリの『記憶の固執』を連想してしまいました。
    以前このブログで、釈迦ヶ岳の稜線にお釈迦様の涅槃像を重ねてみえた記憶があります。MARIOさんの技術をもってすれば、シュルレアリズム的な面白い作品ができそうですが、いかがでしょう。おあそびで。

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  2.  AIの進化には驚かされますが、人間の感性を超えることはできないだろうと思います。やがて肉体を持つAIが自転車に乗りはじめて、私が走るお気に入りのコースを一緒に走ったとしても、その美しさを共有できるかどうかははなはだ疑問です。

     シュールレアリスムといえば、ロートレアモンのマルドロールの歌の一節「解剖台の上でのミシンと蝙蝠傘の偶然の出会いのように美しい」を思い出しますが、こんな表現がAIにできるとは思えません、
     
     AIに頼らずに、自分の自転車の背景に写りこんだ樹々や雲の形を見て、ダリのようだ、マグリットのようだと楽しむ方が、シュールな遊びのようにも思うのですが、いかがでしょう。
     

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