自転車仲間にいろいろな人がいる。メカに強く、自転車の整備まで自分でこなす人もいれば、走るのは得意でもメカには弱い人もいる。高価な自転車に乗っていても、保守点検については意外に無頓着という仲間もいる。
機械いじりはあまり得意ではない仲間の一人が自転車のブレーキシュー(車輪の回転を止めるゴムの部品)を自分で交換したいという。「ブレーキシューの交換は簡単。取り付けネジを緩める。古いブレーキシューをはずす。新しいシューをつける。取り付けネジを締める。たったこれだけ」と少しからかってみた。
本人には深刻な問題がある。まず、どのネジを緩めるのか。ネジは完全にはずしてしまっていいものかどうか。新しい部品を組み付けるには、どれくらいの強さでネジを締めつければいいのか。うまく取り付けたとして、最期にブレーキの調整をするには、どのネジをどう回せばいいのか。普段機械になじみがないとなかなか手が出せない。
自転車は構造が簡単とはいえ、部品の脱着や調整をするときには、どのネジをどの程度締めたり緩めたりすればいいのか、すぐには判断のつかないこともある。締めつけすぎては部品やネジそのものを損傷しかねない。
私の場合はご近所の自転車愛好家で機械いじりに長けた人から、固着したネジを緩める方法やネジを締めつける便利な工具などを教わって、急場をしのぐことが多い。私も、仲間をからかったりせずに、判ることは丁寧に伝え作業を手伝うべきだ。
ところで、ネジを締めるのも難しいが、同じネジでも、ネジを巻くというのが、これもなかなか難しい。すこし自転車に乗ることをさぼっている仲間のネジを巻くには、どのネジを、どれくらいの強さで巻くのか、適当な工具というのもこれが容易には見つからない。
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季節のネジを巻く |
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強すぎもせず 弱すぎもせず |
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速すぎもせず 遅すぎもせず |
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遠すぎることもなく 近すぎることもなく |
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秋のネジを巻いている |
今回は気持ちに余裕があるのか、めずらしく筆が進みました。
返信削除私の場合、メカに弱く整備に疎い。さらには走るのも不得手となれば、負の3拍子そろい踏みであります(笑)。
ブレーキシューのお話、簡単に取り外して新しいのを取り付ければよいのかというと、微妙な調整がとても難しいのですね。そのあたりが、プロとアマチュアの大きなちがいなのでしょう。
MARIOさんの知識と技術をもって自転車仲間にわかりやすく伝えていくことが、大事だと思います。しかし、飲み込みが早い人もいれば何度も聞き直したりする人もいて、イライラしてついからかってみたくなるのでしょうね(笑)。
『起承転結』の結の部分、ここのところが一番の傑作です。
自転車仲間へのネジの巻き方とその塩梅、適当な工具が見つからないというのが面白い。ここからMARIOさんの本領発揮する見せ場となりますね。
今回も写真の出来映えがすばらしい。まさに秋本番ですね。3枚目の北勢線とロードバイクが出会うシーン。絶妙なタイミングでシャッターを切ったショットは、雲一つない秋空に二つの像を鮮明に捉えています。
秋のネジをのんびり巻きながら、グラデーションのごとく冬の気配を感じたいものです。
人のネジを巻くなどと大それたことを考えずに、先ずは自分のネジをしっかりと巻いて、前向きにでも後ろ向きにでも、進んでいくことが大事ですね。
返信削除同じように、自転車の整備を人様にお教えする以前に、自分でまずはいろいろな整備の方法を試してみて、技術を上げる必要がある思います。
今回は、ちょっと内容に驕りが見えたのではないかと反省することしきりです。だいたい、走行会の仲間をからかうというのもよろしくない態度です。とはいえ、中にはついからかいたくなるメンバーがいるにはいるのですが。
自転車にはいい季節ですね。事故や故障のないように気をつけて、自転車ライフを楽しみましょう。べーえんべーさんも、「自転車のある風景」を写真におさめてみえますか。素敵な場所で愛車の写真をちょっと1枚、というのもいいものです。既にやってみえるとすると、これも僭越至極ですね。