マウンテンバイク(MTB)のタイヤを新しいものに替えた。ぬかるんだ場所や未舗装の砂利道、山道、大きな石の上も走れるような太くて頑丈なタイヤだ。タイヤの接地面(トレッド)にキャラメルを並べたような凸凹のタイヤは文字通りキャラメルブロックと呼ばれる。
タイヤのトレッドには溝が刻まれている。トレッドパターンといわれる。縦の溝が強調されたリブ型は直進安定性が高く横滑りしにくい。横溝を深く切ったものはラグ型で、駆動力や制動能力が高まる。
両方の特性を生かすために縦溝と横溝を併せもつリブラグ型というタイヤが多く使われる。自動車のタイヤを観るとトレッドパターンがよく判る。自動車のタイヤは太くて重いので走行中に発生するノイズや燃費にも影響する。タイヤメーカーは新しいパターンの開発に躍起である。
話はMTBのタイヤにもどる。よほど興味のある人でないかぎり、自転車のタイヤのトレッドパターンを気にすることはないだろう。ところが、わずかな脚力で走る自転車にとって、タイヤの選択は切実な問題なのだ。
今回MTBのタイヤをキャラメルブロックのものから、縦溝を強調した連続パターンのものに替えてみた。タイヤが新しいし、材料のゴム質にも違いがあるだろうが、とにかくたいへん軽くなった。安定感もある。大きなブロックの発生する音がない。乗り心地がジェントルだ。
不整地の走りは試していないが、遜色がないことを期待する。自転車のタイヤは自動車より体感しやすいこともあって、効用がよく判る。トレッドパターンの違うものに交換すると乗り味も変化して面白い。
ブランデーの銘柄「V.S.O.P. 」( Very Superior Old Pale)をもじってVery Special One Patternという、進歩のない同じことの繰り返しや親父ギャグを揶揄する言い回しがあった。自転車のタイヤ選びも、自転車の乗り方そのものも、ワンパターンに陥らないよう心したい。
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パターンとは 模様 紋様 態様 タイヤのための幾何学 |
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パターンとは 形姿 形状 形態 タイヤの求める力学 |
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パターンが轍を辿り轍を刻む |
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パターンが路面に反発し路面に馴染む |
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パターンは連綿とつづき無限に広がる |
普段からタイヤをじっくり観察して、その機能について深く考えたことがないので、今回の内容はとても勉強になりました。
返信削除自動車でも夏タイヤと冬タイヤの交換はしますが、ほぼカーショップの言いなりで、自分でいろいろ調べて検討してから決定するのではないので、深まりはありません。
タイヤの形状でリブラグ型の特徴というのもある程度わかったので、我が愛車3台のタイヤもよくながめて学習してみたいと思います。
MARIOさんのクロスバイクは、溝が斜めに切ってあるようですが、あれは直進性の向上と制動力アップの二つを同時に求めているものなのでしょうか。私のクロスは、表面がつるつるで溝がありません。以前F1をよくテレビで観戦していましたが、ピットにへ入ってくるマシンのタイヤを見ると、溝が全くないツルツルでした。高速ですり減ったわけではないですね。私のクロスも含めて、長所は何でしょう。
もうかなり前に、確かブリヂストンタイヤのCMで、「タイヤは命を乗せている」というのがありました。最近は、「ちゃんと買い」というコマーシャルをしていますね。ちゃんといいタイヤを買って、ちゃんと装着しましょうということでしょうか。
返信削除自動車のタイヤははがき1枚くらいの接地面で、加速し、巡航し、制動もしていると自動車学校で習ったような気がします。だとすると、自転車のタイヤの接地面は切手1枚分くらいでしょうか。きちんと選んで、正しく装着しないと怖いと思います。
私のクロスバイクの溝は斜めと側面には縦横の溝も刻まれていて、どの方向にも滑るのを防いでくれているのだろうと思います。出来るだけ国産の信頼できるメーカー(この場合パナレーサー)のものを選ぶようにしています。値段次第というところもありますが、気をつけて乗っていると乗り心地にもかなり差があるようです。
まったく溝のないタイヤはスリックタイヤといって、自動車は公道での使用は禁止、サーキットのみで使われます。自転車の場合は一般路での使用目的でも市販されているようです。タイヤが路面にべったりと接するので、加速にも滑りに強いようです。タイヤの材質も接地性を高める工夫がされていると思います。溝がないので排水性が悪くダートには弱いので、雨の日や悪路では要注意ですね。
因みに、F-1などに使われる高性能のスリックタイヤは、表面が高熱で溶けてアスファルト面に糊のように粘着します。くっつき過ぎも困るのでゴムの質などが工夫されているのだと思います。使用前のタイヤはつるつるですが、使用後は溶岩のように表面が荒れてしまいます。雨のときは温度が上がらないし排水性が確保できないので、溝を切ったレインタイヤが使われます。