「高齢者用…」「高齢者向け…」ということばや商品が溢れている。高齢者小説というジャンルらしきものまであるのは驚きだ。何でも「高齢者」という冠をつければ世にあふれる高齢者の目を引き、売れる、ということか。反発されて売れ行きが落ちることもあるだろうに。
高齢者小説などといわれては読む気が失せる、と思っていたが、意外な遠回りをしてその高齢者小説というものを読むことになった。
始まりは、月刊誌『文藝春秋』に連載されていた京極夏彦の『病葉草紙』という小説だった。京極夏彦といえばおどろおどろしい妖怪の登場する作品が多いと思って敬遠していた。ところが、雑誌に連載されている小説を読んでいると面白い。何が面白いかは省く。
面白いので、同氏の『書楼弔堂』4部作を読んだ。これも奇想天外で楽しい。やはり内容は省く。さらに同じ作家の『オジいサン』という小説を見つけた。京極作品にしては趣がちがう。72歳6か月の益子徳一という人物が主人公だ。ここで高齢者小説に辿り着いた。内容は省く。
かなり前に内館牧子著『終わった人』という小説を読んだことがある。同氏の高齢者小説4部作の第1作目という扱いだ。先月、『すぐ死ぬんだから』『今度生まれたら』『老害の人』という残りの3部作をつづけて読んだ。
笑わされたり妙に納得させられたりした。詳しい内容は省く。小説の題名からも内容はある程度推察できるだろう。
とどめに、小説ではないが山極寿一著『老いの思考法』を読んだ。著者は長年ゴリラの生態を研究していた霊長類学者で、「老い」のとらえ方が独創的である。
高齢者本にはまっていると、高齢者読書沼から抜け出せなくなりそうだ。ここらで一区切りつけたい。一区切りつけたあとで、高齢者自転車に的を絞って調べたり、高齢者自転車を自分で作っみたくなったりするのは、至極当たり前の成り行きかも知れない。
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高齢者、小説を読む 高齢者、自転車に乗る |
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この場合 どんな小説を読んでもいいし どんな自転車にでも乗れる |
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高齢者小説を、読む 高齢者自転車に、乗る |
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この場合 だれが小説を読んでもいいし 乗り手はだれでもかまわない |
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では、高齢にふさわしいとは どういうことなのか |
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そんな定義は放擲して 小説は読めばいいし 自転車は乗ればいい |
昨年度総務省の統計によると、日本人の65歳以上人口は3625万人で過去最多、総人口に占める割合は約30%と過去最高。日本の65歳以上人口の割合は、世界200カ国で最高とあります。ざっと3人に1人はお年寄りと言っても過言ではないので、びっくりです。
返信削除つい先日、私の職場へ新しく入ってみえた方の挨拶があり、何か見覚えがあるなと思い、名前も見て確信。30年ほど前に同じ職場で一緒に働いていた同僚の方でした。たしか私より2つ上なので、今年で74歳のはず。しかし、話しぶりも身動きもとても軽快でしっかりしていました。
高齢者と言っても、私が子どものときに見ていたおじいちゃんやおばあちゃんとは、比べものになりません。私は毎日、散歩がてら墓参りをしていますが、墓碑には戒名、享年、命日などが刻まれています。昔は60代くらいで亡くなっている方が多く、現在とは寿命が20年はちがうと感じます。
MARIOさんの紹介にあった高齢者小説は手にとったことがないので、感想は書けませんが、身のまわりには高齢者に関するもので溢れています。私が20代の頃、中学の同級生が介護施設を自ら作って事業をすると聞いたとき、驚きました。バブル世代に浸っていた自分には考えられない時期でしたが、友達はずっと先を見通していたのです。
ところで、今年もまたツアーオブジャパンがいなべにやってきますね。何年かぶりに現地へ行ってみたいと思っています。ひょっとすると、当日MARIOさんにお会いするかもしれません。
日本人の3分の1が65歳以上とは驚きです。どおりで、何処へ行っても私と同じような年配の方にお会いするわけです。
返信削除自転車でコンビニへ颯爽と乗りつけたサイクリスト。ヘルメットとサングラスを取れば自分とよく似た年恰好の人ではないか、と思うことがよくあります。特に平日のライダー、オートバイのライダーもそうですが、年配の人が目立ちます。
それにしても、べーえんべーさんの30年も前の同僚さん、古稀を過ぎてお互いに現役での再開というのは素晴らしいです。お二人ともお元気で何よりです。確かに私たちが子どものころにもっていた高齢者のイメージとは様変わりですね。
世にあふれる高齢者本。健康、年金、投資に終活。生き方、死に方。フィクションにノンフィクション。何でもありますが、あまり高齢者という枠にとらわれたくないと思います。