クロスバイクを買って1年が経った頃、旧東海道を辿って、関宿まで行ったことがある。桑名の七里の渡し跡を起点に、東海道の名残をとどめる道を探し、四日市の追分から亀山方面へ走る。関の宿場はその先である。現在の国道1号線に沿って、古い街道が今も残っている。家を出てから関宿まで50㎞ほど走った。
「江戸時代の町並みを色濃く残す東海道47番目の宿場町関宿。江戸から明治期にかけての町屋が約200軒も連なる様子は圧巻。国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されている。すべてがあわただしく変わってきた時代の中で、関宿だけは、ゆっくりとおだやかな時間が流れているかのよう」だ。 観光三重というネットの記事はこんな風に紹介されている。
オートバイや自動車では何度も行ったことがあった。自転車で行ったときには、よくまあこんなところまで来られたものだと、自分のことながら感心した。自転車で訪ねてみると、なるほどよけいに静かな時間が流れているような気がした。
先日、椿大社まで走った。爽やかな五月の風が道の先へと背中を押す。久しぶりに関宿まで足を延ばす気になった。椿大社から20㎞。好天にもかかわらず関宿の古い町並みは閑散としていた。訪れる人の姿はまばらで、今も、今日も、ここは時の流れが静かだ。
帰り道は、国道1号線を桑名まで走ることにした。石薬師から采女を抜け、四日市、富田から川越。ひたすら、車道の左端を走る。大型トラックが行き交う。危険極まりない。 大きく右側によけて追い越していく車が多いが、そうばかりとは限らない。車に引っ掛けられるのではないかと冷や冷やものだ。椿大社や関宿の静けさが嘘のようだ。
なんとか無事に我が家に辿り着いて、走行距離はほぼ100㎞。騒がしい道を帰ったので、関宿の落ち着いた街道の佇まいがよけいに印象に残った。
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通過点とか 目的地とか |
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到達地点というのもあるけれど どこまで行けたら終着点なのか |
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それはその日の 雲行き次第 風まかせ 体力次第 脚まかせ |
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道を選んで行き |
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道に選ばれて行く |
東海道といえば、江戸・日本橋から京・三条大橋に至る492㎞の道。そのなかで三重県にかかる部分は、42番目の桑名宿に始まり、四日市、石薬師、庄野、亀山、関、48番坂下までの45㎞。
返信削除愛知県から三重県の間は、木曽・長良・揖斐の大河が流れていて、愛知宮宿から桑名宿へ行くには東海道唯一、海を行く渡し舟が出航されていて、七里(約28㎞)の渡しとよばれていたそうです。
私も数年前に、旧東海道を自転車で走ってみようと桑名から四日市方面を目指したことがあります。七里の渡しがある桑名だけでも複雑で、たぶんこんな感じだろうみたいに迷路を散策した記憶です。
ほとんどの宿場が、町並みを保存しようとする地域のみなさん方の誇りや心意気が伝わってきます。街道に沿った民家の塀には、花を生ける筒があり、通過する人たちに季節の移ろいを知らせるさりげないおもてなしが素敵でした。
今回MARIOさんの100㎞走行記、とても楽しく拝見しました。私も関宿は車で訪れたことがありますが、落ち着いた町並みが江戸時代にタイムスリップし、おだやかな時間が流れていました。
MARIOさんの帰り道、国道1号線を車道で走行されたとは驚きです。左端は舗装が斜めになっていたり、マンホールの蓋や編み目状の排水口があったり、とても神経を使いませんか。自転車が歩道を走れないところもありますが、私は幹線道路を避けて脇道を捜します。というのもMARIOさんのような運転技術に自信がないということです(笑)。
アラコキ、と言いだしてから数年が過ぎた現在、身の回りのあらゆることに過信は禁物、慎重に行動したいと思ってしまう今日この頃です。
ときどきは遠出をするのもいいものですね。しかも行き着いた場所が静かな宿場町と来れば、自転車で出かけた甲斐があったというものです。
返信削除私も普段は交通量の少ない道を選んで走ります。国道や幹線道には、必ずそれに沿って古い街道や生活道路があって、のどかでしかも安全な気がします。
道路交通法では自転車は車道の左端を走ることになっていますが、多くのドライバーが自転車は歩道を走るものだと思っているようです。あえて国道を走ってみたら、自転車は邪魔者扱いされていることがよく判りました。
べーえんべーさんのおっしゃるように、道路の整備も不十分です。天下の国道一号線でも、自転車に配慮されているとは思えません。路肩は荒れて傾き、側道の幅は突如狭くなり、自転車は進退窮まる場所が多いです。道路を設計する人にも自転車乗りの目線が欲しいです。