'25.10.3 一本の柿の木

2025年9月6日土曜日

ランドナーという自転車

  「この自転車はランドナーですか」、「こういうのはランドナーっていうんでしたっけ」。私の自転車を見て、ロードバイクに乗る人から何度か尋ねられたことがある。「ランドナー」は自転車の様式のひとつである。

 車輪が二つ、それを支えるフレーム。舵をとるハンドルと体を載せるサドル。後は脚の力をタイヤに伝える仕掛け。この様式が備わっていれば自転車と呼ばれ、人が乗れば走る。

 自転車はどれも同じと見ている人もいるだろうが、大きくは実用自転車とスポーツ自転車に分けられる。スポーツ自転車にはロードバイクとマウンテンバイク、その両方のいいとこ取りをしたクロスバイクに大まかには分けられる。

 ロードバイクは元々ロードレーサーといわれるもので、速さが売り。マウンテンバイクは文字通り山の中の不整地や急斜面の登り下りに適している。クロスバイクはそこそこに速くも走るし、多少の不整地や実用車のような街乗りもこなす。

 では、「ランドナー」とはどういいう自転車かというと、スポーツ自転車の中でも旅をするための自転車なのだ。キャンプ用具や旅の備えを積んで、遠くまで行く。

 ランドナーはフランスが発祥でその歴史は古い。ランドナーの愛好家たちが長年培ってきた独特の様式がある。頑丈なフレームに太めのタイヤ、荷物を積むための荷台や備え付けのバッグ。悪天候に備えたマッドガード(泥よけ)。長距離を走っても疲れない革のサドル。部品はアルミの削り出しやクロームメッキのほどこされたものが使われる。

 ランドナーにはランドナーの様式美がある。ビンテージバイクの雰囲気が漂う。高齢のライダーにもよく似合う。何日もかけて旅をするための自転車なら、日帰りで少し遠くへ出かけるときにも快適なはずだ。

 そう思って、愛用のクロスバイクをランドナー風に仕立てている。「これはランドナーですか」と尋ねられて、多少なりともランドナーの味わいがあるバイクになっていることを密かに喜んでいる。
短い自転車旅でも
旅に出ると思えば
今朝は旅立ちの朝

どこへ行くかは
決めていないが
走りはじめれば
既に旅路の途中

走りつづけるのが
自転車の旅ならば
どこで停まるかも
自転車の旅なのだ

今日の短かい旅の記憶は
見えない線と点になって
地図の上に残されていく





2 件のコメント:

  1. べーえんべーー2025年9月11日 6:53

     9月も中旬に入り夏の暑さはまだまだ残りますが、朝夕散歩する空気には秋の気配が漂います。自転車を走らせる爽快感は、最高の季節となりましたね。

     ランドナーということばを、今回初めて知りました。ロードやマウンテンの良さを取り入れながら、自転車旅や普段使いにも活用できるスポーツバイクのことでしょうか。
     そういえばMARIOさんのクロスバイク、写真でみるとハンドル形状があまり見られないものであったり、変速機もWレバーであったような記憶です。購入時はクロスバイクだったものを、MARIOさん持ち前の好奇心と創造力でオリジナル開発(笑)してランドナー化されたものだったのですね。
     おそらく今後もMARIOさん独自の進化は続いていくことと期待しています。

     私は仕事から離れて3ヶ月。毎日の時間を持て余しています。自転車にも乗れず、かといって読書をしたり映画を観たりなど生活の軸になるものがありません。充電期間はこれくらいにして、毎日の活用法を考えねばと思っています。

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  2.  ランドナーは旅する自転車、他にもう少し高速で走れるように作ったスポルティーフ、ステイタスの高いクラブのメンバーが乗るクラブマンなど、いろいろな様式を備えた自転車があるようです。
     
     車やオートバイにもミニ・クラブマンやホンダGBクラブマンなどと命名したものがありますね。それぞれの由来を調べるのも面白そうです。

     べーえんべーさんはお仕事を離れて3カ月とのことですが、私は仕事を辞めてから、毎日自転車に乗っているだけでいいのだろうかと思うときがありました。

     長年がんばって仕事をして来たのだから、好きなことだけするのもいいし、何もしないでぼんやりするのもいいと友人から言われて、気持ちが楽になったことを覚えています。

     べーえんベーさんも、自転車には乗れないのが現状のようですので、しばらくはゆっくりお身体を休めていただき、忙しさから解放された何もしない時間を満喫していただくのもよろしいかと存じます。

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