アイフルの最新のCMに使われる自転車は、ジュニアスポーツ自転車ではないだろうかと前回の記事に書いた。今では希少な自転車だ。ジュニアスポーツ自転車の登場は1970年前後にさかのぼる。丸石自転車が「YTエレコン」というジュニア向け自転車に、流れるように光る方向指示器をつけて売り出したのが始まりらしい。
その後、スピードメータやリトラクタブルヘッドライト(飛び出す前照灯)、点滅するストップランプなどを装備したものが出現する。ナショナル自転車「エレクトロボーイZ」、宮田自転車「サリーSLD5」、ブリヂストンの「アストロG」に「ヤングウェイ・モンテカルロ・SN26・ポルシェタイプ」などなど。名前だけでも華々しい。
自動車の変速レバーに似せた変速機やディスクブレーキまで現れる。今やスポーツ自転車にも使われるようになった変速機や油圧ディスクブレーキのはしりである。
ジュニアスポーツ自転車が流行った時代、私の関心はすでにオートバイに移っていた。自分の子どもが自転車に乗るころには、ブームはとっくに終わっていた。そんなわけで、少年たちを夢中にさせる装備を満載した自転車にはなじみが薄い。
自分でヘッドライトや方向指示器を取り付けたり外したり、位置を変えたり。ライト類の配線を工夫したり変速機の調整を試みたり。電気や機械いじりの得意な子がいたにちがいない。仲間うちでは英雄だっただろう。
ジュニアスポーツ自転車は、ファミリー・コンピュータやプレイステーションなどのビデオゲームに駆逐されたのではないだろか。少年たちはバーチャルリアリティの世界に移り住んでいった。戸外で自転車に乗る姿が消えた。
少年たちの夢の跡にCMで出会った。自転車のモデル名は判然としない。宇宙人に扮した女将が乗るのだから、ブリヂストンの「アスロト(宇宙)G」ならドンピシャだ。
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バーチャルリアリティーは 実現することのない現実 |
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夢でありながら 夢はもしかしたら 実現するかもしれない現実 |
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少年たちが追いつづける夢は 時代の中の現実になって残る |
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いずれ発掘されるときを 待ち続けている夢 いずれ光があたるときが めぐってくるものたち |




私が自転車に乗っていたのは、中学校から高校1年生ごろまでの4年間。その後はオートバイに乗り換えました。
返信削除今回のジュニアスポーツ自転車が登場したのが1970年前後なので、こんな派手な自転車が世に出ていることは全く知りませんでした。紹介されているスポーツ自転車は、当時大人があこがれていたスポーツ自動車の装備をパクッていますね。リトラクタブルヘッドランプやギヤボックス、流れる方向指示器など、結局大人も子供も惹きつけられる部分は同じだということですか。
小さい宇宙人女将の自転車は、BSアストロGですかね。 アイフルCMを何度も見ながら一時停止、ようやく確定(笑)。今見てもかっこいいというわくわく感があります。
そういえば、マリオさんのクロスのハンドルはジュニアスポーツ自転車にもありそうに感じますが気のせいでしょうか。
今回のカタログを拡大して見るだけでも、楽しい時間となりました。また次のお話を期待しています。。
べーえんべーさんもメカ好きの血が流れておいでかと存じます。メカニカルなものを見るとわくわく感がおさえられませんね。
返信削除宇宙人女将が乗る自転車はどうも「アストロG」ではなさそうです。何という自転車かもう少し調べてみます。
嘘みたいな話ですが、毎月買う「車」の雑誌が偶然にも自動車ではなくジュニアスポーツ自転車の特集をしていました。シンクロニシティーですかね。写真は版権もあると思ったので、その雑誌のページの一部を切って拝借しました。
私のクロスバイクのハンドルは、ねらったわけではないですが、ご指摘のようにジュニアスポーツバイクのものとほとんど同じですね。驚きです。