冬をむかえる

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'25.1.22 山を見て走る

2022年4月16日土曜日

相棒

  「相棒」というタイトルをつけただけで、もう結論が見えたようなものだ。自転車はおまえの良き相棒だと言いたいのだろう、と簡単に言い当てられそうである。判りきったことを、今更ながらに書くこともないと思うが、書きながら気づくこともある。書き始めたら最後まで書いてみることだ。 

    確かに自転車はなくてはならない相棒である。ちょっと出かける、はるばる出かける、いずれの場合も、自転車が相棒なら存分に楽しむことができる。            
 
 仲間と一緒に自転車で出かけるということになると、彼らは相棒にしている自転車に乗って来る。一緒に走る気のおけない仲間たちが、相棒にしているのはどんな自転車なのかと観察してみるのも面白い。相棒に選んだ自転車とどんな付き合い方をしているのか、興味の湧くところでもある。乗っている自転車を見ると、なるほど、この人はこんな自転車を相棒に選ぶのかと納得できることが多い。自転車の選び方や付き合い方にも人となりが現れる。                                       

 相棒とは、もともと駕篭を担ぐときの相手のことをいう。駕篭を担ぐには前と後ろの担ぎ手の息が合わないとうまくいかない。駕篭に乗せてもらった経験はないが、担ぎ手の呼吸がぴったり合っていれば、高級セダンのように乗り心地がのいいだろう。反対に、担ぎ手の呼吸が合わない駕篭は、バランスの悪い自転車と同じで、妙な振動や揺れが出て、不快に感じるかもしれない。

 テレビドラマ『相棒』は、20年以上もつづく長寿番組である。主人公の杉下右京は、何度か相棒を代えながら、長い間活躍し続けている。よほどいい相棒に恵まれないと、これほど長くは視聴者を引き付けられない。

 名探偵の事件解決には相棒がつきものである。古畑任三郎と大泉真一郎というのもあった。海外のドラマでは、『白バイ野郎ジョン&パンチ』、『刑事スタスキーとハッチ』、それに、『マイアミバイス』のソニーとダブスのコンビも懐かしい。シャーロック・ホームズとワトソン博士という名コンビもある。彼らはお互いにいい相棒に恵まれている。

 相棒を描く物語は、天才肌と常識人、破天荒型と堅実型、もしくはベテランと新米などのコンビが登場し、片方をストーリテラーとして進行していくというのが典型である。相棒同士はお互いに引き立て合い、力を補完する。主人公はもちろん、名脇役の相棒がいないと物語は成立しない。

 自転車の場合、主人公は乗り手なのか自転車なのか判然としないところもある。乗り手が自転車を選ぶとすると、破天荒型や天才型で高性能の自転車は扱いが難しい。かといって、堅実型で常識を超えない自転車では物足りない。現実の相棒選びは難しい。自分の方では気に入って選んでも、自転車に拒絶されて、乗りこなせないということもある。  

相棒と出かける日

相棒とむかえる
あたらしい季節

同じ風の中にいても
想いがすれちがっていたり

同じ場所にいて
同じものを眺めていたり

この先も一緒に進んだり
この先は別れることになったり

道のない道に踏み入る
異を立てるのではなく
通じるものを探したい




4 件のコメント:

  1. いつも楽しく読ませてもらっています。毎週金曜日に必ず更新されていますが、継続する力は相当なものだと只々感心するばかりです。

    ところで1枚目に写っている突堤はどこでしょうか?豊津上野でしょうか?
    2枚目の川は?海津市あたりの流れでしょうか?
    さらに、5枚目の写真はどこですか?牧田川それとも宇賀川あたりでしょうか?

    いつも筆者の文才には敬服していますが、同時に写真にも見惚れてしまいます。
    どこで撮影されたものなのか、明らかにしないところがまたいいですね。その代わりではないでしょうが、添えられた短いコメントも素敵です。いったいこの写真はどこで写したものなのだろうか?いつもクイズを解くがごとく隅から隅まで見てしまいます。

    末永くバイクライフを満喫されることを心より祈念しています。

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  2.  コメントありがとうございます。毎回目を通していただいて、写真も楽しんでいただけるのは望外の喜びです。

     写真は、撮影場所と日時を添えたものかどうか、迷うところもあります。どうしても必要があればお知らせするということで、それ以外は、まぁ、ミステリアスなところもある方が、下手な写真が映えるのではないかと…。Minoさんの場所のご推察は、ほぼ当たっています。

     自転車日記のようなものなので、自転車に乗れる間は書くこともあるかなと高をくくっていますが、実はネタがなくて困るときもあります。安否確認ができるので良いと言ってくれる人もあるので、出来るだけ続けたいと思います。

     

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  3.  今回も興味をそそられるお話で、圧倒されました。相棒の語源が江戸時代の駕籠かつぎからきているとは、驚きです。お互いが協力して息を合わすのだから、二人はよい関係ですね。でも、片棒とか先棒、後棒というと、悪事に加担したり手先になったり、悪い印象となり、日本語はとても難しいです。
     私も愛用の自転車があり、それぞれ目的ごとに私の手となり足となる大切な相棒です。
     MARIOさん曰く、その自転車を見ると、所有者の人となりが見えてくると仰いましたが、私はほとんど友達任せ(勝手に相棒と思っている)で選んでいます。もう少し、自分に主体性をもたないといけないのですが、友達のほうが理にかなっていることが多く、ついそちらが優先されます。相棒は大事にしないといけない唯一無二の存在です。

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  4.  初めて自転車を手に入れたときは、何もわからずインターネットの通販で買いました。自分なりに手を入れたり、整備をしているうちに、だんだんなじんできて、今では手放せなくなっています。

     相棒を誰かに選んでもらったり、押し付けられたりすることさえあるかもしれませんが、本人同士の息が合って、いつの間にか欠くことのできない相棒になることもあると思います。

     仕事場での相棒などは、お互いに自分の意志で選んだのではなくても、いつの間にかゴールデン・コンビになっているということもあります。仕事場での付き合いが、退職後もそのまま良き相棒としての付き合いになっていることもあります。

     べーえんべーさんのご愛用の自転車も、他の人から見ればお人柄の反映するものなっていると思います。今後とも、愛車を大切になされて、自転車ライフをお楽しみください。

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