かなり前のことだが、我が家から10㎞ほどのところにある多度山に、初めてマウンテンバイクで登った。標高403mでそれほど高くはないが、自転車で登頂するのはきつい。途中、何台かのオフロード用のオートバイに追い抜かれた。そういえば、私の知り合いにも同じようなオートバイに乗っている人がいる。あれなら山登りも楽そうだ。
帰りは瀬音の森コースという山の裏側に降りる道を下った。自転車では危険な所もありかなり難渋した。こんな道を選ばなければよかったと立ち止まっていると、携帯電話が鳴った。オートバイに追い抜かれたときに思った知人からで、今どこにいるかと尋ねられた。多度山から下山途中で往生していると伝えると、知人もオートバイで多度山頂に登ったところだという。何とも不思議な。示し合わせたわけでもないのに、超偶然の多度山。下山して、多度峡のみそぎの滝で会うことにした。
先週、その知人に普段は通ることのない道でばったり出会った。相手は車、こちらは相も変わらぬ自転車。知人は仕事の途中で、車の中で昼食を摂るときに、私が自転車でこの辺りを走っているのではないかと思っていたという。彼もその道はほとんど通らないという。
予兆か、霊感か。悪いことが起きれば虫の知らせになるが、これは、驚きと喜びの出会いなので、虫の知らせとはいわない。相手のことを考えているとその人に出会う。その人がやって来る。この現象は引き寄せの法則とかシンクロニシティ(共時性)ということで説明される。
いつもとちがうコースを走っていて、この道では出会わないだろうと思っている相手が、その日に限ってコースを変えたといって、ばったり出会うことがある。今日は暇にしているだろうからメールでもしてみようかと思った相手から、久しぶりのメールが届くこともある。
気が合う、考え方が似ている、当然ながら行動パターンも似通っている人たちの間では、偶然ではなく、必然的に起きる現象らしい。引き寄せの法則とかシンクロニシティなどといってしまわないで、信じられないような不思議な出来事のままにしておく方が楽しいしうれしい。
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古い友だちのことを想っていたら その人が向こうの角を曲がって来る |
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あの人はどうしているかと考えていたら そのあの人が向こうから歩いてくる |
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あの人でもこんなところは 知らないだろうと思って 写真を送る |
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その人からこんなところは 知らないだろうといって 写真が届く |
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何故か、あの人を思い浮かべる 不意に、その人にここで出会う |
早速、先日お会いした件をネタにしていただきありがとうございます。
返信削除ちょっとしたことを捉えそれを教養に満ちた文章に表わすとはさすがです。
お恥ずかしいことに、虫の知らせが悪いことが起きる予兆という意味で使うことすら知りませんでした。こういう時にはシンクロニティーと言うんですね。
またひとつ薄識な私は賢くなりました。これからも博識なMarioさんのブログを読んで賢くなろうと思います。
さてさてお次はどこでお会いすることになるのでしょうか?楽しみです。
先日は失礼しました。あんな道でばったり出くわすとは意外も意外。しかも、相変わらず自転車で走っているだろうと思ってもらっていたとは…。見通しの悪い狭い道だったので、お互いにスピードを出していればあわや正面衝突、でしたね。
返信削除行きつけの店で、今日はあの人も来るかもしれないとか、よく通る道で出会うかもしれないと思っていたらやっぱり会えたというのならわかりますが、まさかこんな時間にこんな道で何しているの、という出会い。しかも、ちょっと前にふとその人のことを考えたというのは、簡単に説明のつかない事象のようにも思えます。
前の日曜日には、知人と自転車で走っていて、共通の知人のことを話していたら、その人が自転車で向こうからやって来ました。普段はこんな道へまず来ないので、誰にも会わないだろうと話していた矢先の出来事でした。
「噂をすれば影がさす」とか「呼ぶより誹(そし)れ」と言います。これは陰口や悪口は言うなという戒めかもしれませんが、これも、意外な出会いです。
波長が似ているとか、あとから理由をこじつけているとか、いろいろな解釈もあるでしょうが、会ってみたいなと思った人に、思いがけずに会えるのは嬉しいものです。
今回のブログも興味深く読ませていただきました。
返信削除シンクロニシティという言葉を、恥ずかしながら初めて知りました。
意味のある偶然とは何だろう。MARIOさんの体験を交えたお話で、何となくイメージが湧いてきました。
例えば・・・
何十年か前に付き合っていた人に、もう一度会ってみたい。よく待ち合わせをしたあの喫茶店に行ってみよう。突然の思いつきだが、店についてドアを開ける。いつも座った奥から2番目の窓際の席。・・・見覚えのある長い髪の後ろ姿がそこにあった。
・・・一歩ずつ近づき、横顔をみる。紛れもない彼女がそこにいた。
出会うはずのない人が、自分と同じことを同じ時間に考えていた。
これはフィクションですが、シンクロニシティ(共時性)は、現実の場面でいくつかあるのでしょうね。
『意味のある偶然』って、惹かれるというかロマンを感じます。
今回も教養を深めるお話、ありがとうございました
必然の偶然、偶然の必然。べーえんべーさんにヒントをいただきました。フィクション、いいですね。ブログもありふれた日常の出来事ばかりではなくて、時にはフィクションを交えるのがいいかもしれません。
返信削除自転車に乗ることで、つまらない日常から抜け出して自由気ままに遊んでいると思っていても、自転車に乗ることがに日常になってしまっていて、狭い世界に閉じこもっているという逆説も成り立ちます。
「シンクロニティ」は私も知りませんでした。あの人はどうしているかと考えたときに、その人と会うことになるような現象を調べてみたら、このことばに出会いました。たまたま用語がシンクロしたということです。
ところで、べーえんべーさんの喫茶店での懐かしい再会、ガロの『学生街の喫茶店』が聴こえてきました。あたたかくなったら、記憶の彼方にある昔通ったあの店に、自転車で旅をしてみるというのはいかがですか。