先週、この冬初めての雪が降った。30㎝ほども積もったか。今年は温かくて雪が積もることはないかもしれないと思っていたので意外だった。
中学校へは自転車通学をしていた。今より雪が多かったように覚えている。もう半世紀以上前のことだ。雪が積もっていても、当たり前のように自転車に乗って学校へ行った。いつもの朝よりも通学路が楽しかった。
友だちの一人が、自動車のタイヤチェーンのよろしく自転車のタイヤにわらを巻き付けていたのを思い出す。画期的な発明だった。チェーンの効果があったかどうかは疑わしいけれど、受けねらいには成功していた。
雪の被害が深刻な地方の人には申し訳ないが、雪は冬の楽しみだった。子どものころには、竹を割って火であぶり、スキーの板のように先を曲げて足にくくりつけ、スキーの真似事をした。日かげの斜面には雪が長く残っていて、一度雪が積もればしばらくはスキー遊びができた。
今のように大人が一緒に遊んでくれることはなかった。年かさの子が遊び道具も作って一緒に遊んでくれた。自分が大きくなると小さい子たちに遊びを教えた。大人の介在しない子ども文化の継承があった。
雪の日の自転車通学の心得も自分たちで会得した。身軽な子どもが転倒しても大事に至ることはなかったのだろう。大胆に雪道を自転車で走っていた。タイヤが滑るのは面白かった。
雪が積もると、子どものころのわくわく感も積もる。じっとしてはいられない。自転車で出かけてみたくなる。反射能力は衰え、身体は硬く、雪道へ自転車で乗り出すのは危ない。わかってはいるが、雪の中へ走り出さずにはいられない。
マウンテンバイクは雪に強いタイヤを装着している。雪で真っ新になった道へ漕ぎ出す。気持ちはおおはしゃぎだ。雪の日のじっとしていられない自分の気持ちにとことんつき合ってやろう。
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雪につつまれてしまえば いつの時代も変わらない |
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冬はつとめて 雪のふりたるは 言ふべきにもあらず 清少納言さんだって わくわくしていた |
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一夜のうちに リセットされた 道が始まる |
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雪が消えるのをおしむように 子どもたちは遊びつづける |
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新しい雪が降ったら 今度は何をしようか |
まだ小さい子どもの頃、雪が降るとうれしくて外へ出てはしゃぎ回ったものです。
返信削除雪国ではないので、目新しいこともあったのでしょう。
近所の子らと遊んだのは、ＭＡＲＩＯさんと同じです。やはり彼らの好奇心、知恵や創造力はすごいものがあります。タイヤチェーンにわらを巻くとは、よく考えましたね。さてそのあと、どんな展開になったのか気になるところです。
私が記憶にあるのは、冬の寒い朝、うらのため池が凍っているのでスケートをやろうということになり、近所の子らと湖面で遊んだこと。たぶん大人はいなかったでしょうから、氷が割れて池に落ちたら大事故になったと思います。
今思えば無鉄砲です。でも当時は子どもの遊びに親がついてくることはなかったので、天下を取った気分だったのでしょう。
大人になって雪をうれしく思ったのは、20代後半まで。毎年スキーをやっていたので、新聞のスキー場便り・積雪量を日々チェックしていました。しかし30代になると勤務が気になる。天気予報で明日は雪だとわかると、チェーンの装着準備。当日、雪道を通り過ぎれば脱着作業が待っている。これが１シーズンに数回はあるわけで、子どもの頃味わった雪への憧れが徐々にしぼんでいきました。
今回のブログで、ＭＡＲＩＯさんの子ども心や遊び心が衰えていないことに、私もかなり刺激をもらいました。雪道へはマウンテンバイクで出かけて、思いっきり子どもに還って遊んでみる。ふざけてみる。ころんでも痛くない。これは楽しい。
春までに、まだ１回は雪が降ることを期待して、心の支度をします。
べーえんべーさんにいただいたコメントからは、同じ時代に同じような場所で過ごした人の匂いのようなものが伝わってきます。
返信削除季節ごとに、子どものころの情景を懐かしく思い出しますが、雪の日には特別な思い出があります。1年のうちに数えるほどしか雪の降り積もることがないからかもしれません。
子どものころに遊んだ場所へ、季節ごとの思い出を捜しに行くには自転車がいちばんです。そもそも、自転車に乗り出すことで、時間は子どものころへとスリップします。
雪の日の朝、先ずは真っ白の世界へ飛び出すこと。自転車で出かけるのは転倒のリスクもありますが、新雪の上ならばマウンテンバイクのタイヤは効果的です。十分に注意をしながらほんの少し走ってみるだけでも、子どもの自分がよみがえります。くれぐれも、凍りついた路面には気をつけておでかけください。