同じコースを走っていても、沿道の木々、花々、家々、遠く連なる山々、空気の匂いさえも日々変わっていく。自転車で走っていると、意外な出会いがある。こんなところにこんなものが、こんなところにもこんな道が、と出会いは突然来る。
自動車やオートバイで出かける時には、目的地を決めたら一目散ということが多い。ときには目的地に着くまでに意外な発見もある。道に迷ったり、思わぬ絶景に会ったりする。目的地があって先を急いでいるので、あえて車やオートバイを停めて発見を楽しむことは少ない。
徒歩であれば、道行く先々で発見の連続かもしれないが、移動するのに時間がかる。巡り会うものや場所には限りがある。歩くことはあまりないので、そういうものだろうと決め込んでいる。
そこへいくと、自転車は速度も移動の距離も「そこにあるもの」に出会うには実にぴったりだ。古い街道跡を走る。文字の判然としない道標や思いもかけぬ人の墓碑に出会う。家から遠くない集落にも、入りこんだことのない場所はある。よく手入れをされた寺院の庭や神社の境内に出会う。
近くに住んでいても知らない場所は多い。マウンテンバイクで里山を走れば、豪族の城跡に出会う。古墳があったりもする。たいがいは地元教育委員会の解説の札などが建てられているが、人の訪れる様子はない。自転車に乗っていなければ、こんな場所へは来なかっただろうと思う。もう一度、同じ場所に行けといわれても、行けるかどうか怪しい。
訪ねて行くのではない。探しているのでもない。自転車に乗っていると、今まで知らなかったものや場所が、向こうから会いに来てくれる。自転車に乗っていると、知らず知らずのうちに招かれて、その地に行き着く。自転車でしか出会えない出会い方をしている。
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現役の伊勢ケ浜親方は名伯楽 ずっと時代をさかのぼって 初代伊勢ケ浜関にここで会う |
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いつだったか 横綱さんにも ばったり出会った |
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行き先を考えて 走っていると 街中に思案橋 |
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近づいて 見上げれば 由緒ある名木 |
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何気なく 近づけば メダカ池 |
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昔むかしの 築城のときから 今日訪ねることは 決まっていたのか 偶然の出会いか |
今回は、自転車で味わう楽しさや発見というか、自転車だからこそ目にとまり体感できる良さなどが紹介されています。確かに自動車でのドライブや徒歩でのウオーキングとは、自身の目線も違うし、残像効果が全く異なります。
返信削除自転車で走っていなければ気づかずに見過ごしてしまうもの、この脇道の奧はどうなっているのかなと興味をもてば、いとも簡単に入っていける手軽さがうれしい。
昔、『ラブストーリーは突然に』というドラマがありましたが、自転車で気持ちよく走っていると、まさに出会いが突然にやってきますね。これは素人の私でも感じます。
今回の写真にある伊勢ヶ浜親方の墓碑、鬼面山谷五郎生誕の碑、思案橋の石碑など、あっと驚くものばかり。まあＭＡＲＩＯさんのように、何事にも興味を示し探究心旺盛 な方だからこそ発見することも多いと思います。
10月に入り、ようやく彼岸花が咲き始めましだが、今年は緑の畦を真っ赤に彩る群生が見られないのが残念です。 週末ぐらいに、秋の気配を自転車で味わってきます。
新しい出会いが、向こうからやってくるかもしれません。
匿名さんからのコメントとしていただいてありますが、べーえんべーさんからいただいたコメントに間違いないと思います。
返信削除ブログの内容を楽しみにしていただいていれば、ありがたいことですが、私としましては、べーえんべーさんからいただくコメントがいつも楽しみです。今回はどんな読み方をしていただけるのか、意識しなくてもつい考えてしまいます。毎週発信し続ける励みにもなっています。
ところで、自転車での出会いは突然来ると書いていて、私も『ラブストーリーは突然に』というフレーズが思い浮かびました。発想の近似値ですね。
今年も、今週になって急に彼岸花の群生に出会うことができました。例年より10日以上遅い開花でしたが、まさに、彼岸花は突然に、でした。
今回のブログを読んでいたら、若い頃「ゆっくり走ろう日本の道」と書かれたステッカーを貼った自動車をよく目にしたことを思い出しました。
返信削除もう一つこんな交通安全運動標語（昭和48年）もありました。「せまい日本そんなに急いでどこへ行く」
脇目も振らず1分1秒でも早く目的地まで突っ走ることに価値を求めがちな現代とは隔世の感を感じます。
子どもの頃、学校帰りは道草をしながら帰ったものです。虫や魚を見つけて捕まえたり、柿やイチジクが実っているのを採ったりと、色んな出会いや発見がありました。朝の倍以上の時間を費やして帰ったこともしょっちゅうでした。
自転車が今シニア世代の間で静かなブームになっているというのも頷けるような気がします。
コメントありがとうございます
返信削除Minoさんのおっしゃる通りで、昭和の時代に小学生だった子どもたちは、優雅な生活を送っていたともいえますね。
いつのころからか、大人も子どもも年寄りまでもが忙しくて、動きまで速くなったのでしょうか。自転車に乗っていると、出会うものにゆっくりと向き合えて、儲かったような気がします。
もっとも、歩くのが習慣や趣味の人から見れば、自転車でも速すぎと思われるかもしれません。移動する速さではなくて、心もちがゆっくりするようにしたいと思います。
ゆっくりといえば、ご近所の自転車仲間や走行会のメンバーと自転車で走る時間は、子どものころの学校の帰り道のようです。