’26.5.8 一期は夢よ

2025年10月25日土曜日

深掘り

 前回のつづき。ジュニアスポーツ自転車についてもう少し深堀りしてみようと考えた。果たして、アイフルのCMで宇宙人女将が乗っている自転車はブリヂストンの「アストロG」か。特定するにはいろいろと資料にあたってみなければならないと覚悟した。

 よもや見つかるまいと思いつつ、AIに「アイフルのCM『ちっちゃい宇宙人女将』篇に使われた自転車は何か」と尋ねみたら、何と、AIが答えてくれました。

 「アイフルのCMに使われた自転車は、『エレクトロボーイZ』です。CMのクリエイティブディレクターである山崎隆明氏が、自身のX(旧Twitter)で明かしています」という回答。あっさりと謎が解けた。

 山崎氏のXをみると、「私が小学生の時に発売された憧れのスーパーカー自転車エレクトロボーイZ。まさかこの歳になって仕事で使うなんて思ってもみなかったです。懐かしかったなあ。というわけでアイフルの新作CM、今回も真央さまに弾けていただきました」というコメントがあった。

 「アストロ(=宇宙)G」ならCMの場面にぴったりと前回書いたが、ナショナル自転車の「エレクトロボーイZ」が使われたのだ。あちこち探して深掘りをしなくても、見当をつけて浅く掘るだけで答えが見つかってしまった。拍子抜けもいいところだ。

今さらながら、インターネット上にあふれる情報の多さには驚かされる。おまけに、AIが検索を手伝ってくれるし、情報の整理までしくれる。困りごと、探し物、何でも即解決、である。

自転車のモデル名は違っていたが、いいところまでは近づいていた。CM作製に携わった人に自転車好きがいるのではないかという推察も当たっていた。

 簡単に捜し物が見つかったが、AI頼みでは深掘りしたことにならない。AIの回答に満足せず、あるいは疑い、自分でものごとを深く掘り下げる姿勢も忘れないでおきたい。

平板な羅列の中から
該当事項をひとつ見つけただけで

簡単に辿り着くその場所は
本当に約束の地だろうか

ここに踏みとどまって
該当事項を深く掘り下げる

時間をかけて辿りついた
新しい天地で
爽やかな風に吹かれる

2025年10月18日土曜日

少年たちの夢の跡

  アイフルの最新のCMに使われる自転車は、ジュニアスポーツ自転車ではないだろうかと前回の記事に書いた。今では希少な自転車だ。ジュニアスポーツ自転車の登場は1970年前後にさかのぼる。丸石自転車が「YTエレコン」というジュニア向け自転車に、流れるように光る方向指示器をつけて売り出したのが始まりらしい。

 その後、スピードメータやリトラクタブルヘッドライト(飛び出す前照灯)、点滅するストップランプなどを装備したものが出現する。ナショナル自転車「エレクトロボーイZ」、宮田自転車「サリーSLD5」、ブリヂストンの「アストロG」に「ヤングウェイ・モンテカルロ・SN26・ポルシェタイプ」などなど。名前だけでも華々しい。

 自動車の変速レバーに似せた変速機やディスクブレーキまで現れる。今やスポーツ自転車にも使われるようになった変速機や油圧ディスクブレーキのはしりである。

 ジュニアスポーツ自転車が流行った時代、私の関心はすでにオートバイに移っていた。自分の子どもが自転車に乗るころには、ブームはとっくに終わっていた。そんなわけで、少年たちを夢中にさせる装備を満載した自転車にはなじみが薄い。

 自分でヘッドライトや方向指示器を取り付けたり外したり、位置を変えたり。ライト類の配線を工夫したり変速機の調整を試みたり。電気や機械いじりの得意な子がいたにちがいない。仲間うちでは英雄だっただろう。

 ジュニアスポーツ自転車は、ファミリー・コンピュータやプレイステーションなどのビデオゲームに駆逐されたのではないだろか。少年たちはバーチャルリアリティの世界に移り住んでいった。戸外で自転車に乗る姿が消えた。

 少年たちの夢の跡にCMで出会った。自転車のモデル名は判然としない。宇宙人に扮した女将が乗るのだから、ブリヂストンの「アスロト(宇宙)Gならドンピシャだ。


バーチャルリアリティーは
実現することのない現実

夢でありながら
夢はもしかしたら
実現するかもしれない現実

少年たちが追いつづける夢は
時代の中の現実になって残る

いずれ発掘されるときを
待ち続けている夢
いずれ光があたるときが
めぐってくるものたち


2025年10月11日土曜日

何じゃ、これ

  アイフルのコマーシャル、「凛とした女将」シリーズは大地真央扮する料亭の女将と板前の「今野」(今野浩喜)の掛け合いが絶妙で笑える。消費者金融の宣伝ではあるが、CMだけ見ている分には楽しい。わずか30秒のドラマだ。

 シリーズの第1作目は、今野が新作の料理を女将に試食してもらうという設定。女将が箸を手に取ろうともせず「今野、ここに愛はあるんかっ」と問う。今野は「愛?」と自問し、料理の作り直しを覚悟する。そこに「愛がいちばん、アイフル」というCMソングが流れる。

 CMは何作も放映されているが、テレビではあまり見かけない。YouTubeでまとめて配信されているので、ほぼ全編が見られる。下手な紹介よりも、実際に配信動画を見れば絶対笑える。

 で、このCMと自転車とはどういう関係があるのか。シリーズの中に、女将がウーバーイーツよろしく自転車で出前をする「デリバリー女将」篇というのがある。これを見たときに、CMの制作スタッフの中に自転車好きの人がいるのではないかと思った。

 最新作「ちっちゃい宇宙人女将」篇はシリーズ第27作目になる。宇宙人女将は、今野に「地球人に愛はあるんかっ」と尋ね、答えを待たずに宇宙に帰る。待機するUFOに向って自転車で走り去る。

 女将の乗る自転車を見て、何じゃ、これ、と思った。動画を止めてよく見ると、スーパーカーを模して作られたリトラクタブルヘッドランプに流れるように光る方向指示器。197080年代に流行したジュニアスポーツ自転車ではないか。 

 こんな自転車を持ち出すとは、やはり、CMを作っている人の中に自転車マニアがいるのだろう。ジュニアスポーツ自転車、自分で詳しく調べてみたい。そのままにしておいたら、「そこに、自転車愛はあるんかっ」と、凛とした女将に叱られる。

わずかの時間で
行き先を決める

限られた時間で
何を選ぶか決める

一瞬が生きざまを語る

30秒も立ち止まれば
愛を語ることもできる

2025年10月4日土曜日

大きさについて思うこと

  ブログを公開するには、ブログを作成するソフトを使ってページを作る。Googlebloggerという無料のブログ作成サービスを使わせてもらっている。

 無料ソフトでページの書式を作り、更新の度に本文と写真を挿入する。本文は、別に準備をした400字詰めの原稿用紙2枚にぴったり収めると決めている。それをブログ作成ページに貼り付ける。

 ページ作りにはコンピュータを使う。段落や改行もコンピュータの画面上では読みやすいように工夫している、つもりだ。

 公開したページをスマホの画面で開いてみると、どうも読みにくい。作成したコンピュータの画面よりずっと小さい。縦横比や文字の大きさもちがう。改行の位置も変わる。スマホの画面は窮屈だ。

 スマホでブログを見るときも、ウェブバージョンで開けば(画面の一番下で選択可能)、コンピュータと同じ画面が見られる。作り手のイメージに近いが、画面は小さいままなので内容まで違っている気がする。

 最近、車輪の小さなミニベロといわれる自転車に乗ることが多い。ブログの画面と同じで、大きな車輪のスポーツ自転車のイメージで乗ると走りがかなり違う。 この場合は、大きさだけではなくて、性能にも違いがあるのだから当たり前といえば当たり前だ。

 小径車は、走り始めのペダルを踏む力が小さくてすむ。車輪が小さいのでジャイロ効果は低い。不安定で倒れやすいが、傾けやすいので小回りがきく。惰力で転がる力は小さいく高速で走るつづけることは苦手だが、ブレーキはよく効く。

 フレームがあって、二つの車輪があって、自転車であることには変わりがないのに、車輪の大きさが違うと別の乗り物のようだ。ブログのページも自転車も、寸法の大きさだけで本質までが変わったように思わせてしまう。

遠くにあるから
小さく見えているだけだ

遠くにあるからこそ
憧れは強くて大きい

大きいからといって
簡単に見つかるとはかぎらない

小さいからといって
見つけられないわけでもない

2025年9月27日土曜日

お昼は何食べる

 ご近所の人と自転車で遠出をするときは、昼食目当てのことが多い。 「しばらく鰻に行ってませんね」と誰からともなく声がかかる。家から15㎞ほどのところにある、いつもの店まで走る。木曽三川公園の油島大橋東詰から北へ1㎞ほど走ると、「魚信」という川魚料理の店だ。田んぼの中にぽつんと立っていて一見普通の民家のようだ。鰻の蒲焼が絶品でしかもお値打ち。

 「まぐろ、行きましょか」ということになると、名四国道沿い、桑名と四日市の中間あたりにある「まぐろレストラン」まで、やはり15㎞ほど走る。まぐろの刺身が安価にたらふく食べられる人気店だ。

 店の混み合う時間をさけて遅めの昼になるように少し遠回りをして走る。昼食をはさんで全行程で4050㎞くらい走るのがちょうど良い。ささやかな贅沢を楽しむランチのための走行会だ。

 では、一人で遠出をするときはどうかというと、昼食の時刻も場所も、勿論何を食べるかも定まらない。できるだけ走る時間が欲しい。昼食の時間が惜しい。

 ハンバーガーや牛丼のチェーン店のファストフードで済ませる。どこで食べても待たされることがない。店に入る時間も惜しいときには、コンビニでサンドイッチやおにぎりを買う。 食べたい物を食べたいときに食べる。空腹を感じて身体が食べ物を欲しがるときが昼食時だ。

 日常の食事でも、身体が欲しがるものを、欲しがるときに食べていればいいと思っている。健康志向の雑誌の記事にあるように、あれを食べろ、これは食べるなといわれ、食べ方まで指示されては食欲も減退する。

 遠くまで走る日は昼食をジャンクフードで済ませ、美食ともゆったりした食事時間とも縁がない。食べるものがあるだけで十分だ。空腹を感じたら食べ、渇きを覚えたら飲んで、走りつづける。先を急ぐ。それでも気儘で幸せな時間なのである。

小学校の給食で出される
卯の花煮が食べられなかった

無理に食べれば
栄養も毒にかわる

偏食のリベンジ

ジャンクといわれようが
出来合いといわれようが
好きなときに
好きなものを
食べて走る

2025年9月20日土曜日

銀輪が消える

  自転車といえば銀輪。銀輪といえば自転車。その銀輪が消えつつある。実用自転車のリムは今もアルミニューム合金製のものが多く銀色に光る。ところが近頃のスポーツ自転車には銀輪が使われていない。

 自転車のホイールはタイヤを嵌めるリム、車軸(ハブ)とそれをつなぐスポークから成る。それが、アルミ合金やステンレスで作られていれば、素地が銀色なのでまさしく銀輪というわけだ。

 私がスポーツ自転車を始めたいと思ってカタログを集めていた13年前、多くの自転車にはまだ銀輪が使われていた。ところが、今、スポーツ自転車の車輪はほとんどが真っ黒。その方が精悍そうで高級に見えるのだとか。ちょっと同意しかねる。

 10年ほどの間に銀輪を奪った犯人は軽くて丈夫だが高価でもあるカーボンという材料ではないだろうか。もう一人の犯人はディスクブレーキか。リムでブレーキを効かせる必要がないのでリムを黒く塗装できる。

 黒いカーボン製の軽量リムにディスクブレーキをつけた高級自転車が流行り始めると、入門用のスポーツ自転車もそれに倣う。スポークやハブまで黒く塗られる。スポーツ自転車からは銀輪が消えていった。

 通学にスポーツ自転車を使う高校生を多く見かけるようになった。朝の風をきって登校する自転車の列から銀輪が消える。朝の光に照り映える銀輪が消える。実用車には銀輪が残っているとはいえ、スポーツ自転車が増えて真っ黒の輪っかに席巻されるのはさみしい。

 先日、リム、ハブそれにスポークがすべて銀色に輝くホイールを前後セットで手に入れた。市場から消える前にと思って、高価ではあったが無理をして買った。愛用の自転車には銀輪を使いつづけたいと思っている。

銀輪はペダルを踏みつづける理由

銀輪は未知を訪ねる動機

風を斬り光を映し時を刻み

銀輪のおもむくままにまたあした



 



2025年9月13日土曜日

朝の50㎞あるいは夏の走り方

  今年の夏は強烈に暑かった。9月になっても残暑が暑い。長時間自転車に乗るのは危険だ。かといってまったく乗らないのでは身体がなまる。

 熱中症で救急搬送された人のニュースを頻繁に耳にした。他人事とは思えない。無茶は出来ない。去年は暑い盛りにもかなり走ったのに、加齢がすすんで用心深くなったか弱気になったか。

 仕事で自転車を使うなら兎も角、面白くて走っているだけなのに、熱中症にでもなったらお笑い(ぐさ)。救急搬送でもされようものなら、救急車の無駄遣いだと(そしられ)そう。自転車仲間からは、だから言わんこっちゃないと心配され、笑われもするだろう。

早起きは苦手だが、無理をして5時には起きることにする。遅くとも6時過ぎには家を出て3時間、気温がぐんと上がる9時までに50㎞くらいは走れる。

 鈴鹿市の椿大社までは何度も出かけている。往復50㎞、街中へは出なくてもいいし、通勤の車で混み合う道を走らなくても行ける。我が家からちょうどいい朝の50㎞だ。

 同じコースばかりではつまらない。他にも朝の50㎞を探す。いなべ市藤原町の長楽寺。登りが多いが山の中の爽やかなコースだ。帰り道にさしかかるころには気温が上がるが、山から下るのが心地よい。身体も無理をしない。

 多度から美濃街道を抜け、岐阜県海津市の海津橋まで20㎞。揖斐川を下って桑名を周って帰ると50㎞になる。大きな川に沿って走るコースが爽快だ。

 四日市の市街を抜けて25㎞で出会う海まで走る。大きな街を抜けるという難点はあるが、まだ涼しい海に会える。今日はこのまま気温が上がらないのではないかと期待する。

 炎暑の夏も走り方しだいで楽しめた。長く暑い夏とはいえ、いつまでもつづくことはないだろう。年齢や季節の移ろいに合わせて走り方を変える。秋の新しい走り方も考えてみる。

大気が燃え上がるまでに
長い橋を渡ってしまおう

涼しい朝の海まで来れば
熱波はとどかないはずだ

地球が太陽の追いかけられ
追いつかれて灼けはじめる

灼けついた街からは人影が消えて
真昼の地球は魔界の惑星にかわる

人も地球も熱に溶け出す前に
橋を渡ってもどれるだろうか