時間の使い方が下手になってしまった。現役の頃にはそれなりに忙しいこともあって、何をするにも時間が足りないと思っていた。時間をやりくりして、短い時間を上手く使うようにしていた。完全に仕事を辞してからは、ありあまる時間があるはずだった。退職後は退屈な日々が続くので、やることを考えておくといいと人からアドバイスを受けたこともある。それが退屈どころか1日が短か過ぎる。時間があるのに時間が足りない。
天気のいい日は自転車に乗りたい。狭い庭ではあるが手入れもしたい。やりたいことは天気のいい日に集中する。では、雨の日はどうか。次に読む、次の次に読む、さらにその次に読みたい本まで机の上に積んである。映画も観たい。次の次に観たい映画までくらいは候補がある。天候にはかかわらず、やること、やりたいことが多い。
自転車は乗るだけというわけにはいかない。整備や手入れもしたい。乗りっぱなしでも支障はないだろうが、手間暇をかけることも面白い。チェーンに注油をしたり、ブレーキの簡単な調整をしたりしておくだけでも軽快さが変わる。自分で手が出せるところもいい。オートバイに乗っていたころにも、簡単な整備は自分でしていたが、自転車はもっと手軽に機械いじりの楽しさが味わえる。部品の点数も少ない。
部品の点数が少なければ生産コストがかからない。その分フレームの塗装などは念入りにされているのではないかと思う。フレームの塗装といっても、車に比べれば塗料の量も格段に少ないはずである。素人考えであるが、自転車の塗装は上質のはずである。磨き上げたフレームは美しい光沢を放つ。
55年ほど前、中学校の通学用に自転車を買ってもらった。半世紀以上昔のことである。時々はワックスをかけておくと良いと父が言っていたのを思い出す。自転車のフレームや部品は、油のしみ込んだ布で拭くだけでも、光沢が出るし錆の予防にもなる。
たばこやキャラメルの包装に使われるセロファンを手の指に巻いて、塗装の面を撫でてみる。指先で触れても滑らかなのに、セロファンを通すとざらつきが判る。塗装の面に細かい汚れがついているのでざらざらする。コンパウンドや粘土で汚れを取り除くと、滑らかになって光沢が増す。
そういえば、父は暇があると何でも古い布で拭いていた。古いものでも磨けば光る。96歳になる今も、父は指の運動にといって、実際には使わない革の鞄にワックスを塗り、ブラシをかけている。いくつかある鞄の色つやは素晴らしい。手入れさえしてあればいつでも使える。自転車も日々の手入れはしておきたい。
「新車で買った車やバイクは、乗ればコンディションが落ちるばかりである。中古で買ったものは、手入れや整備を続けていればコンディションが良くなってくる。それが面白い。長く楽しむには、日々の手入れが一番。」
これも父から聞いた記憶がある。けだし、名言である。
屋根付きのガレージや整備の場所がないので 夏の暑いときには日陰を作って自転車の掃除 きれいにすると眺めているのも楽しい。 |
暑いので、自転車が腹を見せてひっくり返っている ちょうどいいので、下回りもきれいに掃除する 自転車は軽くて掃除も整備もしやすい |
時にはバラバラにしてきれいにする 手間はかかるが仕上がりは上々である |
古い自転車も分解・整備すれば蘇る 誰も乗り手がなくなっていたが、それなりに使える |
トランスポータもきれいに磨く 景色が映り込むくらいになると気持ちがいい |
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番外編 これは自転車に乗らないときに乗る車 マツダ ロードスター NB6 (2001年式) 5年乗った中古を買ってから、今年で14年 She is 19 years old now. 塗装も機関の調子も上々なので もう少し家に置いておきたい |
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