冬をむかえる

冬をむかえる
'25.1.22 山を見て走る

2020年2月27日木曜日

日々の手入れ2


 時間を使うのが下手になったと書いた。前言を翻すようであるが、よく考えてみると、案外上手に使っているかもしれない。もはや、自分の時間には買い手がつかない。自分の時間は売れなくなった。売れないのであれば、全部自分で思い通りに使う。何をするにも時間を潤沢に使うのだから、不足するのは当たり前である。自分の思いのままに、好きなだけ時間を費やす。最高に贅沢で上手な時間の使い方なのだ。
    
 子どものころから落ち着きがないと言われ続けた。何をしても長続きしない。アサガオの観察日記を書くとか、星や月の運行記録をとるというのは最も苦手なことだった。観察をする本人が動き回るのだから、微妙な変化を見届けられるわけがない。大きくなって、活動的とか活発だとか言われたが、これは社交辞令で、実際は、やっぱり落ち着きがなかったのだ。
 
 ところが変われば変わるもので、近頃は自分の動きが少なくなった。その分ものが良く見える。自転車と向き合うときはじっくりと時間をかける。遠乗りから帰ると、簡単に自転車の汚れを落とす。チェーンの汚れを拭き取る。チェーンの油が切れかかっているようなら注油をしておく。チェーンのひとコマひとコマにオイラー(油さし)を使ってごく少量を注油する。ちょっと前の自分では考えられない念入りな作業である。
 
 チェーンの潤滑油には種類が多い。雑誌やネットには製品の情報があふれている。注油をする時期や方法ついても多くの記事がある。素人の自分ではペダルを踏んだり、変速の手ごたえを感じたりするだけではチェーンのコンディションが判らない。手で触れてみて、汚れ具合や滑らかさを確かめる。触れてみれば、注油の時期も判断できる。どんな潤滑油がいいのか、注油の量はでどれくらいか、試行錯誤する時間は充分にある。

高級な潤滑油を使うよりも、必要なときに少量を丁寧に注油することが大事。作業を繰り返していると、チェーンの構造もわかってくる。2枚のプレートをつなぐピンにローラーが通してある。ピンとローラーの間にだけ注油すればいい。あとは全体に油膜がついていればいいのである。長く使っていると、ピンとローラーの摩耗で隙間が大きくなる。チェーンは伸びない。チェーンは減る。全体の長さが長くなるので伸びたように思う。自明の理ではあっても、時間をかけて自転車と付き合うことで、自分が成し遂げた大発見である。

 注油したチェーンが滑らかに回り、変速がスムーズにできるのは気分がいい。それに比べて自分の時間は、それほど円滑に流れていかなくてもいい。立ち止まったり、振り返ったり、人には売れない時間なら、自分でたっぷり使わせてもらうことにする。



孫たちは、まだ時間を売りに出していないので、
 ゆっくりと自転車を楽しむ余裕がある。    

時間に余裕があるので、点検も念入りにする

整備(?)にも余念がない          
      子どももおもちゃで遊ぶより本物の方が面白いに違いない 







潤滑油にはいろいろな種類がある                  
ウェット・ドライ 軽いもの、しっかり長持ちの高級なもの      
どれを選ぶか迷うところである                   
どれを選んでも、丁寧に注油することが大事             
                 



オイラー 注油用のアイテム      
狭い場所にも自在に注油できる優れもの 
      市販の潤滑油の容器に付属していれば便利だと思うが…



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